昨日見た夢4 ある決意
「 ゴシュジン ヒドイ ヒドイ 」
「しかし、あれは夢だぞ」
「……………………」
「ソレ デモ…」
「夢ならば何をしても良いじゃないか あれは夢である」
「私はとても正しい事をした 私は敵を滅したのだ」
「アレハ キット ユメジャナイ… 」
「夢だろ」
「……………………」
「その証拠に、こうしてここに居る」
「それが何よりも夢の証拠である」
「夢であれば良い」
「夢の感触を所詮夢だ」
「ここには居ない」
「誰も居ない」
「私とお前以外」
「ここに誰か居るのか?」
「……………………」
「タクサン ノ ヒト ヲ 」
「 コロシタ 」
「お前も手伝った筈だ」
「……………………」
「罪悪感など」
「感じる必要はない」
「敵は倒すべきである」
「でなければ」
「自分が倒される」
「だから」
「あれも」
「許される」
「……………………」
「私達がここに戻ったという事は、彼女は眠ったのだろう」
「さて、私の忠実な騎士よ」
「……… ハイ 」
「私は、これからどうするべきだと思う?」
「……………………」
「あの、時代遅れの世界で、私は何をすべきだと思うか」
「……………………」
「私は思うのだ」
「 ナニ ヲ ?」
「あれは天啓である」
「 ? 」
「天は、私にあの世界を与えたのだ」
「 ? 」
「この世界では、出来ない事が沢山ある」
「なら」
「…………………」
「それには、まず人との関わりを再び取り戻す必要がある」
「 ソウ… 」
「我が騎士よ」
「 ハ… イ… 」
「私は」
「狂人か?」
「ハイ」
「…………………」
「そうか」
「それなら」
「 私 は 自ら を 治 療 しよう 」
「 エ? 」
「もう、あの頃のように笑えないし、元に戻るとは思えない」
「…………………」
「しかし」
「……… まぁ、流石にお前が言う通り あれはやりすぎたと思う」
「…… ウ ン 」
「夢とはいえ」
「礼儀はある、よな?」
「 ハイ… 」
「あの鎧は、使えないかなー もう」
「 デザインヲ アタラシク シタラ ?」
「 ………いや、良いか」
「 」
「狂気も表に出し、威圧するのも良い事だ」
「恐怖が恐怖として広がるなら、それで構わないだろう」
「幸いに、あれの生き残りは沢山居る」
「なら、どっちみち尾ひれが付く」
「銀より、赤の方が身近な色だ」
「それなら」
「私は赤で呼ばれるかもしれない」
「デモ ヨロイノ ヨゴレ オチナイ」
「私は銀が好きだ」
「 ウ 」
「私の苗字だ」
「 ハァ… 」
「だからあのままで良い」
「…………………」
「ただ歩くのも飽きた」
「もし、次あの世界に着く事があったら…」
「何処か、コミュニティに入り込もう」
「 コミュ ニティ? 」
「そうだ」
「彼女にはおそらく目的がない」
「そして何かしら理由があって捕まっていたんだろう」
「そして、彼女は諦めている」
「でも」
「彼女の「望み」が何かしらの「復讐」なのだとしたら?」
「 …… タ ラ ?」
「「理由」が出来るだろう?」
「 リ ユ ウ ?」
「研究の」
「 ケンキュウ…」
「ここでは出来ない事も多い」
「世間体もある」
「 ハ イ 」
「法律もある」
「 ハイ 」
「倫理観もある」
「………………」
「しかしあの世界は夢だ」
「 エ ? 」
「全て、無い」
「………………」
「それなら」
「彼女を「理由」にして」
「 私 は やりたい事をやろうと思う 」
「………………」
「それは許されない事か?」
「 ……ワタシ ニモ リンリハ アル 」
「お前は変えないさ お前は私の「娘」だよ」
「 エ ? 」
「共に、一緒に生きよう」
「 ア ………… 」
「一緒に」
「 世 界 が び っ く り す る 事 をしようじゃないか 」
「その為には」
「場所が居るだろう?」
「 ………………… 」
「あの場所をその場所にしよう」
「何、どうせ誰も知らない場所だ」
「それに」
「自分は彼女の騎士」
「それなら主君には」
「城が居るだろう?」
「 ………………… 」
「 一緒にやろうじゃないか 」
「落ち込んでるのも飽きた」
「愚図って駄々を捏ねるのはおしまい」
「居ない者は居ない」
「それなら私はやりたい事をしよう」
「だから一緒にやろうじゃないか」
「面白そうだと思うだろう?」
「私… いや、俺とお前 親子二人力合わせて」
「共に他人が出来ない事を成し遂げよう」
「きっと」
「楽しいぞーーーーー」
「 …………………… 」
「 ヒトツ ダケ オネガイ ガ アる 」
「なんだ?」
「 オトウ… おと 」
「 お父さんって、呼んで良いですか?」
「 ………………… 」
「ああ、良いぞ」
「お前は俺の娘だ」
「これからも、一緒に生きて行こうな」
「 ………………… 」
「 お父さん…… 」
生まれてきてこの方、従者として生まれ生き
高度の思考能力を持ちながらそれを用い思考し、会話する事を拒絶されてきた。
私は「彼」の召使だったのだ。しかし今、彼は私の事を「娘」と呼ぶ
もう召使ではない。彼は、いや「父」は自分の事を認めてくれた。
制約の中にあるカタコトの言葉を廃しても父は怒らなかった。
私は私として「独立」する事が出来たのだ。
私は生まれて彼を父と思っていた。しかし現実は違った。
だが今はもう私は娘。父の娘なのだ。
父の家族は娘しか居なかった。なら、私はその新しい娘となるのだろう。
私は家族になった。父の家族に。
その条件が自身の倫理を捨てること。
だが、そんな事はもはやどういう事でもない。
街中で行き交う子供達を見た。彼女達は私達と同年代の筈なのに小さく
そして何よりもとても愛されている。しかし父は私を愛してはくれない。
だが、これからは愛してくれる。私を娘と認めてくれた。
それなら……
捨てれるものはどんどん捨ててしまおう。 私は彼の娘 父の娘なのだ。
家族は、とても良い物だ。
「お父さん」
「ああ、なんだ?」
「私は幼い」
「ああ、2歳だから」
「それなら、幼くなりたい」
「良いぞ」
「本当?」
「その代わり」
「武器は沢山積むけどな」
「 」
「可愛い子が良い」
「彼女のお下がりは嫌だ」
「ああ」
「構わないよ」
私はそのまま、彼に抱きつく。 いや、父か
父は
それを返してくれた。




