蓮田泉水の場合
興味なかった。
子供っぽい同級生なんて。
学生時代なんてひたすらつまらなかった。
昔から「大人びた子供」だと親や周囲の人に言われていた。
けれど、裏を返せばそれは「冷めた子」と言われているようで。
私が冷めているのは事実だったから特に気にもしてなかった。
中学に上がってからは話しかけられるのも面倒になって、1人になる事が多かったけど、凄く楽だった。
「楽だと思った道を行くのも良いけどな、それだとお前の世界は狭いままだぞ」
担任だった天城先生に屋上で言われた。
苦手、なタイプだった。
もしかしたら嫌いだったのかも。
でも何故か先生のその言葉だけは素直に心に入っていった。
それから先生は私がいる時に限って屋上に来るようになった。
先生はあまり自分から話す事はなく、たまに独り言のように「そう言えば…」と呟くくらいだった。
「お前って友達いねぇの?」
「…先生、そう言えばで軽く始まる話題じゃないです」
「今ふと思い付いたからな」
紫煙の臭い。
生徒の前でも吸うくらい先生はヘビースモーカーだ。
「…別に興味ないです。
作らなきゃいけないって事はないでしょうし」
「めんどくせぇなお前」
先生の事は苦手だったけど、ふっと笑うその姿は少しだけ好きだった…かもしれない。
「――――今蓮田は何やってんの」
帰る私を駅まで送ると言ってくれた天城先生が煙草に火をつけながら言った。
10年前と変わらない臭い。
まだ同じ銘柄を使っているらしい。
「何だと思いますか」
「んー…
…駄目ださっぱり分からん」
「先生絶対考えてないですよね」
相変わらず適当過ぎませんか先生。




