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お久しぶりです。




クイーン・ドラゴンの元に戻ってきた僕は、睨みを効かせてくる大量のドラゴンにビビりながら先程あったことを報告した。


〔ならばお前は、我等がクイーン様の命令を全うせずに戻って来たと言うのか!?〕


そう吼えるのは、ことある毎に僕に突っかかってくるあの若いドラゴンだ。ドラゴンの年齢なんか分からないけど。態度とこの頭に響く声は若い男性のものだ。もしかすると僕よりも若いのかもしれない。


〔落ち着きなさいアルノード。私達はこの方にお願いした立場です。貴方も精一杯してくれたのでしょう?〕


そう言ってクイーンが視線をこちらに向けてくる。それに合わせて他のドラゴン達の視線も一斉にこちらに集まってくるのだから、正直僕のグラスハートにはストレスが大きすぎる。あの若いドラゴンの名前がアルノードだと言うのもどうでも良くなってくる。


「はい・・・それで、その先程申し上げた通りこの短剣を預かって来たのですが・・・」


先程あの奇妙な旅人から預かった短剣を差し出す。ドラゴンの大きな手ではこの短剣は持てないからだろう、クイーンがぐぐいとその首をこちらに寄せて来た。


〔クイーン様!?〕


クイーンの行動にアルノードを初めとするドラゴン達が焦っているが、クイーンはそれに気を止めもしない。しかし、こうもドラゴンの顔を間近で見るのは初めてだ。

しばらく短剣を見つめていたクイーンが口を開いた。


〔・・・成程。・・・これは間違いないでしょう。先程はアルノードが失礼しました。貴方にお願いした事はもう既に完了していますよ〕

「え?」

〔・・・どういう事ですか?クイーン様〕


クイーンが完了した、と言ったものを否定する事は難しいのかアルノードが尋ねる。


〔この短剣は王族の紋が入っています。それにこの臭いは確かに王族の物でしょう〕

〔臭い・・・ですか?〕

〔あぁ、貴方はまだでしたね。50年ごとに人間の王が盟約の更新の為に私達の所へ来るのですが、その時に嗅いだ臭いと同じだったのです〕

〔・・・そう、なのですか〕


ポンポンと知らなかった事が出てくるが、スルーだ。いちいち突っ込んでいたらキリがない。いやでも、ドラゴンの島の事は聞きたいかも。

それよりも・・・だ。


「お、王族!?この短剣の持ち主が!?あれが!?」

〔はい、そうですよ?あれ、と言うのは?〕


僕はあのボロッちい旅人を思い出す。いや、あれが王族と言われたら誰も信じないだろう。髭も伸ばしっぱなし、羽織るマントはボロボロのドロッドロだし、両方の腰に使い古された長剣を差し、話し方に威厳の欠片も無かった。


「いえ、何でもありません!!少し驚いてしまいました。お騒がせしました」


だが、これをクイーンに言うのは後々不利益になるだろう。誰に対しても、そうなる事が予測される。言わない方が賢明だ。まぁ、ギルドの皆には言うけれど。面白いし。


〔?そうですか。貴方は冒険者なのですよね?〕

「はい」

〔ならば報酬が必要という事になりますが・・・〕


お、貰えるのか!!さっきは貰えなかったから嬉しいな。


〔少し待って頂けませんか?〕

「え?」


また・・・?


〔本来なら、私達ドラゴンが生み出す鱗等の素材を譲る所ですが・・・貴方にはあまり必要のない物でしょう?〕


必要は・・・確かにある訳では、ない。大切な収入源と言う意味では必要だが、僕自身欲しいかと言われるとそうでも無い。ドラゴンの素材から作る武器は攻撃力、耐久性に優れるが、生憎僕の戦い方には合わない。それ一本をメインとして使う事も考えられるが、僕が使えるレベルまで性能を落とすとなると、それは非常に勿体ない事だ。例えやったとしても微妙に攻撃力の高い、やたらと硬い剣が出来上がるだろう。あ、ちょっとした敵と戦う分にはちょうどいいかもしれない。


「確かに・・・あまりいりませんね」


それだけ僕がドラゴンを殺してきたとも言えるのだから、あまりここでは言いたくなかったが、いらないものはいらない。


〔ですので、あなたに相応しい報酬を用意いたしますので少し待っていて欲しいのです。・・・そうですね、三日ほど待っていて頂けないでしょうか?その頃には、終わるでしょう。いえ、始まるのでしょうか・・・〕


最期の方は小声だったが、何やら意味深な事を呟きながらクイーンは話を終えた。

三日か・・・久々の王都を堪能するか。あ、今は入れないのか・・・。三日間どうしよう?




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