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とは言ったもの、いや思ったもののこれと言って出来る事はまだ何もない。
情報を集めるのが良いが、生憎情報源となるビブリオマニアで図書館迷宮にこもっている故に司書のあだ名がついた彼は今まさに図書館迷宮に籠っている所だ。
一度籠ってしまえばウィスパーチャットをしても無視いや、気付かないのがオチだ。
ならば、聞き込みが良いだろうと思いギルドホールへ向かおうとして、断念した。
これは無理だ。何だこの数!!と思うほどに人でごった返していたからだ。
しかし、ギルドホールから出てくる人ごみの中に見知った顔を見つけた。
「おーい!!」
「ん、オイお前呼んでるぜ。・・・違う?・・・あ、俺?あ、おー。ワカ!!」
隣の人が凄い迷惑そうな顔してるのは見なかった事にした。仕方ない、この人数だ。
しかしあの馴れ馴れしい感じは素なのか。
「ガイさんよ、情報はあったかい?」
「ないな!!」
「そうかい」
ハイテンションだな相変わらず。疲れないのか?
「だが!!図書館迷宮になら情報があるかも知れないらしい!!」
「やっぱりそうか」
ギルドホールは中央広場に隣接するように建っているのだが、ギルドホールから出て来た人間はそのままゲート付近で集まっている。
耳を傾けてみると、「図書館迷宮探索PT募集」や「図書館迷宮PT参加キボンヌ」などの声が飛び交っている。
やっぱりと言うかなんというか、いくら迷宮と言えど図書館は図書館なのだろう。
「さて、司書を待つのもいいけど、僕たちも行く?図書館迷宮」
「だな。大陸に入る資格が、なにかも分からないからな。もしかしたら、全てのダンジョンを攻略している事とかが条件かも知れんし」
「ん。じゃあ行くか。と、その前にアルマに言っとかないと」
「おう」
てことでアルマにウィスパーで図書館迷宮に行く旨を伝えた。
「行ってらっしゃいって」
「よし。じゃあPTどうするか?」
「火系統武器持ってる?」
「あるぜ」
「じゃあいっか。まぁ行けるでしょうよ」
「レベルによるゴリ押し、嫌いじゃないぜ」
「僕はそんなに好きじゃないけどね」
と、まぁこんな感じに図書館迷宮攻略が決まった。まぁ僕たちにとっては再攻略という事になるのだが。
さて、図書館迷宮だが、実際の名前は『叡智の塔』と言う。しかし、皆が図書館迷宮と呼んでいる。それは何故か?塔の中が本だらけ、というか塔その物が本で出来ているからだ。本が塔を形作り、本が通路を構成し、本が本棚を形成し、本が本棚に埋まっている。まさに『本の本による本の為の塔』という感じだ。
設定を言えば、古代の賢者たちが莫大な量になったその蔵書を意思のある本を造りその管理を任せた事が始まりらしい。その内本達は自らを守る事、同族を守る事を憶え、世界中の本を保護し、その中に納めているという。よって、塔の中には今では禁書となって封印されている様な本や、希少価値の高い本等がある。そして、時が経つほど本の数は増える、つまり塔は高くなり、その知識量は増えていくのだ。珍しい成長型のダンジョンである。
そして、この図書館迷宮一番の特徴が意思があるという事だ。敵か味方かを判断し、味方であると判断すればその知識を分け与え、敵であると判断すれば迎撃する。
この世界全ての知識が保管される図書館迷宮だからこそ、僕らにとっては未知の大陸である『魔大陸』の事も分かるかも知れないと思ったのだ。
「で、火炎放射器を持ってきたはいいが、どう攻略する?正規ルートか裏ルートか」
「楽なのは裏ルートだけど・・・アレが気になる」
「『勇者の種』か・・・」
「うん。勇者っていう位だから、正規ルートの方が良さそうかなって」
「なるほどな。確かに・・・じゃ、それで行くか」
「うん・・・そうなると火炎放射器いらないね」
「・・・そうだな」
ガイは装備していた火炎放射器を外すとすごすごとポーチにしまった。
「改めまして」
「「行きますか!!」」
「おう!!」




