表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/49

14



さて個人の部だが、どうやら予選と本選に分かれているらしい。予選で本選に出る選手を絞り、本選を突破した者がチャンピオンに挑む権利を得るという。その予選、出場者は八つのブロックに分けられ全員で戦い、一人残った者だけが本選に進めるという至極シンプルなものだ。本選にはその八つのブロックで勝ち残った八人の選手が出場し、トーナメント形式で戦う。見る側としては非常に見ごたえのある内容だと思う。

予選Cブロックが僕の『コロシアム』での初戦という事になる。対人戦はクラン戦と『決闘』以外では初めてだから緊張する。対多というのも殆ど初めてだ。モンスターは対多が基本だが、対人ではしたことが無い、クラン戦でも基本僕は『投擲』による後方支援だった。


「オイ、何でこんな所に初心者が居る?」


待合室の長いすで暇だからアイテムを整理している僕にそう声を掛けて来たのは、ゲート前で僕にぶつかって来た海人族の男だった。


「そりゃ、出場するためですよ」

「初心者が?はっ、笑わせる。初心者は草原にでもいっとけや」


海人族はエラや水かきを持った種族だ。明らかな嘲りの表情を浮かべ、僕に突っかかってくる。あぁめんどうだ。ちなみに草原とはアスペンの街を出たところに広がる草原の事で、チュートリアルなどはここで行う。誰もがみな通う所だ。


「まぁまぁ、彼だって条件を満たしているからここに居るのでしょうし」


間に入って来たのは全身甲冑の大男だ。何族かは分からない、フルフェイスヘルムまで被ってやる気満々だ。


「あん?」

「それに、どうせ戦うのですから実力などすぐに分かるでしょう」

「ふっ、それもそうだ」


あ?今ものすごーく腹が立つこと言われた気がするんだけど?特に鎧。一見冷静な対応に見えるが、その内容は多分に軽蔑を含んでいる。よし決めた。予選は軽く流す程度だと決めていたが、この人たちとは直接戦って倒そう。ここまで言うなら最後の方まで残るだろう。



■■■■■



拡声器により司会の声が響き渡る。


『さぁーーーーっ!!予選Cブロックも残すところあと三人!!一体誰が残るのか!?』

『膠着状態になっているようですね』

『勝ち抜くのは全身甲冑の重戦士か!?はたまた海人族の戦士か!?おや?初心者装備の人が居ますね?』


バックに司会と解説の声を聞きながら、鎧が口を開く。


「まさかあなたが残るとはね」

「ふんっ、どうせセコい手でも使ったんだろうがよ」


結局の所、予選Cブロックにおいて最後に残ったのは僕と鎧とエラ男だった。腹が立つから適当なあだ名だ。


「ならあなた達は『スキル』使わなかったんですか?」

「そりゃ使うでしょう。あなた馬鹿ですか?」

「現実に『スキル』なんかありませんよ?ならズルでしょう?」

「なにゲームと現実ごっちゃにしてんだよ、頭、逝ってんのか?」


そんな事は分かっている。ただの煽りだ。三者が三つ巴の膠着状態になっている。ここに居る誰かが動いたら、戦闘は動くが、初めに動くのは明らかに悪手だ。その誰かを動かすために、煽りあっているという状況だ。自然とこの場にいるには不自然な恰好の僕が恰好の的という訳だ。しかし誰も動かない。


「はは、冗談だよ冗談。分からないのか?」

「だよな!!」


僕も笑ってはいるが、その実かなりイライラしている。めんどくさい、何でこうも上手く残るのかな?変な力の介入を感じなくもない。


「はんっ!!ビビってんじゃねーか?足が震えてるぞ?」


とエラ男が鎧に言う。


「武者震いさ」


と言うが、どうだろう?本当に震えているのではないか?いや、罠かもしれない。と、思っていると、エラ男が飛び出した。僕に向かって。


「ちっ、やっぱりか!!」


舌を打ち、投げナイフで迎撃する。が、銛をグルリと回して弾かれた。


「はっ!やっぱりその程度か!!」

「どうだろうねっ!!」


と、更にナイフを重ねて投げる。今度は広く深く当たるように。


「うおっ!?」


よし、怯んだ。エラ男に飛び込もうとした瞬間、視界に影が差す。鎧だ。後ろに飛んで避けると、さっきまで僕の居た地面が爆ぜた。重戦士らしくメイスによる一撃だ。大盾とメイスの装備は鉄板であるが、それに見合った攻撃力は秘めている。さっきまでの戦いでも大盾による鉄壁の防御と、メイスによる隕石の様な一撃で多数の選手を屠っていた。


「避けられましたか」

「やってくれたな!!」


そうこうしている内にエラ男が体勢を立て直してしまった。二人相手にするのはマズイ、どうにかして抜け出さないと。という事で剣を二本エラ男に投げる。


「うぉ!?」


あっさり刺さり、エラ男が地に倒れ伏す。え、マジ?弾けなかったのか。筋力ステータスが高ければ弾けると思ったんだが、そうでも無かったのか。でもまぁいい、一人減ったのだ。


「あれは倒れたようですね。でも、剣を捨てるのは悪手ですよ?」

「まだまだあるんで、御心配なさらず」


鎧と睨み合う。全身鎧は僕にとっての天敵とも言える装備だ。なんせ防御力が高い。僕の得意の投げナイフも有効な手段とは言えない。剣を投げても、防がれるだろう。思考していると、鎧が身を盾に隠すように縮こまらせた。


「『タートルガード』!!」


重戦士系の『スキル』だ、動けなくなる代わりに防御力が飛躍的に上がる『スキル』だ。だが、何故?動けなくては攻撃も出来ない。僕を倒すことも出来ない。


『さぁ、制限時間も残すところあと僅か!!一体どちらが残るのか!?』


制限時間か!!この予選、制限時間が決まっていて、時間中に決まらなければ残って居る者の内、一番相手を倒した人数が多いものが勝者となる。くそっ!!


「『ファストアップ』!!」


あまり使いたく無かったが、もう形振り構っていられない。スマートじゃなくて好みじゃないが爆弾を投げるとしよう。どかどかと爆弾を投げつける。しかし・・・


『ターーーイムアーーーーーーップ!!』


笛は鳴った。鎧は倒れる事は無かった。




未だに設定がふわっとしている部分がありますが、そこはさらっと流してください。

ご質問があれば、お答え出来る範囲で答えますので・・・。簡単な物でも感想があれば、作者は小躍りします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ