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D-REX捕獲から数日後、僕はいつものように親父の所へ来ていた。


「こんちはー」

「おう」

「はい、親父。今日はメタルドラゴンの素材」

「ってーことはあれか、機鋼国まで行ってきたのか」

「はい。やっぱり硬いですねー」

「そりゃ鉄で出来てるからな奴ら」


そんな会話をしながら素材をカウンターに素材をうず高く積んでゆく。


「こりゃまた大漁だな」

「メタルドラゴンの素材よりも、メタルウルフが多いですけどね。なんで大量発生してたんだろう?」

「さぁ?ギルドで聞いてみたらいいんじゃねぇか?」

「それもそうですね」


と言った所で思い出した。この前の新人の事だ。


「この前いた新人どうなりました?」

「ん?あぁあいつか。戻って来たぜ、一から叩き込んでるところだ」


ふーん、戻って来たのか。あのまま帰ってこないかと思っていたけど、意外とガッツのある娘だったのか。


「という事は今も?」

「あぁ、向こう槌を打たせてる。意外と呑み込みが早くてよぉ、この分ならすぐにナイフ位なら打てるようになるだろうぜ」


呑み込みの早さはプレイヤー補正によるものだ。ふむふむ、『スキル』も順調に成長しているみたいだな。鍛冶師プレイヤーが増える事は嬉しい。その後も色々と雑談していると、件の見習い鍛冶師が親父の所にやってきた。


「親方さん向こう槌やってきました・・・って、あぁっ!!この前の!!」

「こんちは」

「あんたまた私を馬鹿にしに来たんでしょうそうでしょう!?」

「はい?」


お、おぉう?こんな子だったっけ?


「あー・・・なんだ・・・どうもあの後、心折られたみたいでな、どうも被害妄想が暴走しがちなんだよ」


何だそれ。被害妄想持ちのツンデレっぽいのってどんな奴だよ。ああ、こんなのか。


「いやいや、しないよ。なんでするのさ」

「だってこの前・・・」

「アレは単なる評価だよ」

「ほら、馬鹿にしてるじゃない!!」


えぇー・・・何この子めんどくさい。


「えー、アレは剣がダメダメだったからああ言っただけで、君自身の事じゃないし、もちろん君の事を馬鹿にしてああ言った訳じゃない。ね?剣がダメなだけで、君がダメな訳じゃない。むしろ僕は君の事を高く評価してるよ。ね、親父?」

「本当?」


小首傾げて尋ねるそれはかなり可愛いのだが、右手にゴツいハンマーを持っているので可愛さなんて吹き飛んでしまう。更に状況が状況故に空恐ろしくも感じる。


「お、おう!そうだとも!!さっきなんかコイツお前の事べた褒めしてたぞ!!」


え、ちょ、何言ってんの親父!?


「なんて?なんて言ってたの親方?」

「おう、そうだな・・・言ってやれ、ほら」


親父ぃぃぃぃ!!何言ってくれちゃってんの!?僕は親父の殺人的なパスにしどろもどろになりながら答える。


「ま、まぁ、そうだね。君はあれから真面目にやってるようだし、新しい鍛冶師が増える事は嬉しい事だからね。うん、頑張ってね」

「はい!頑張ります!!」

「うんうん。厳しいと思うけど、君なら大丈夫だ・・・・たぶん」

「はい!!」


最後は小声で言っていったが、どうやら聞こえなかったようだ。まぁ、いいか。でも実際鍛冶師のプレイヤーが増えるのは嬉しい事だ。鍛冶師系の職業は非常に育ちにくく、求められる能力も高いのでプレイする人間が少ないのだ。なぜかと言うと、基本的に鍛冶師が作る物は鉱物を使うので鉱石が必要となる。質のいい鉱石を得ようと思うとどうしてもレベルの高い地帯に行かなくてはならない。しかし、鍛冶師は生産系の職業であるがゆえにいくら高いレベルになっていようと戦闘力は乏しい。なら、護衛を雇うなり鉱石を買うなりすればいいと言われるかもしれないが、伝手や金が必要になってくる。更に言えば、高レベルの武器の製法は基本的に秘匿されていて、NPCからの依頼で得るか、別の鍛冶師プレイヤーから得るか、はたまた自分で開発するしかない。NPCから知り得る事は、他のプレイヤーも知っている事が多く、別のプレイヤーは自分の売り物を他人に教えるなどしたくは無い。故に必然的に伝手も金もある古参のプレイヤーが多く、新参プレイヤーは少なくなってしまうのだ。だからこそ、僕はこうして新たなプレイヤーの鍛冶師が産まれたことを嬉しく思っている。割と心から喜んでいる。


「そうだ名前、名前教えて」

「はい、エリッサです」

「エリッサ・・・エリッサね、よろしく」

「よろしくお願いします!!」

「僕は・・・」

「ワカさんですよね?親方から聞いているので知っています!!」

「・・・そう」


なぜみんな名乗らせてくれないんだ!!まぁ、何はともあれ、このエリッサとは今後長い付き合いになる。




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