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お、おぉ。日刊ランキングに入ってるぅ!?と、トイレの中で驚愕していました。

これからもよろしくお願いします。





戦闘開始から、しばらく時間が経った。ああは言われたものの、流石に全く何もしないというのも、それはそれで間違っている気がするので僕も幾らか攻撃に参加している。と言っても、アキに攻撃が向きそうになった時にナイフを投げる事で牽制をしている程度だ。


「投げナイフであの攻撃を止めるのか・・・オラ!!お前の相手は俺だ!!」


グランが盾と剣を打ち合わせ激しく音を立てる。戦士系『スキル』の中でも必須だといわれる『挑発』だ。効果は敵の注意を引き付ける、分かり易くていい。更にこの『挑発』から派生する『スキル』も幾らかあり、その選択によって選べる職業が大きく変わってくるのでなかなか奥が深い『スキル』でもある。

グランに挑発され、攻撃の矛先をアキからグランに変えるD-REX。突進の予備動作をしている。それに対しグランは盾を構え二本の足と尻尾で地面をしっかりと捉えている。予備動作を終え、凄まじいスピードで地面を抉りながら地を駆けるD-REX。並のプレイヤーなら回避するか跳ね飛ばされるかの二択だ。しかし、グランはそれを盾でもって受け止める。車が正面衝突したかのような音が辺りに響き渡る。それは、ガードに成功した証でもある。リザードマンの種族特性からの防御力の高さと『スキル』レベルの高さ、そしてグラン自身のプレイヤースキルの高さ、そのどれが欠けても今の状況は出来なかったであろう。

グランによってD-REXの動きは完全に止まっている。その隙を彼らが見逃すはずもなく(というよりもそれを確信していたように準備はしていたが)、『スキル』の予備動作や、詠唱に入っている。


「『アローレイン』!!」


サトールが光る矢を空に向かって射ち放つ。光る矢は空中で分裂し、雨の様にD-REXに降り注ぐ。


「『氷結薔薇の荊棘』!!」


ヴァニキスが凍ったバラの花を砕き空に撒く。すると、散った欠片が大きくなり人の足ほどもある巨大な棘になった。呪術系『スキル』はMPの他にその呪術を発動させる元となる触媒が必要となる。それ故に呪術師は強力ではあるが、その分金のかかる職業だ。金を掛けたくなければ、そのフィールドにある物を触媒にするという手もあるが、そもそもそのフィールドにある属性の物は大概モンスターにとって得意なものなので大したダメージは期待できない。中々に厳しい職業だ。

ヴァニキスが生み出した巨大な薔薇の棘が幾つもD-REXに突き刺さる。D-REXは苦悶の声をあげた。D-REXの弱点は氷だ。D-REXは身もだえ、グランを弾き飛ばした。


「グランっ!!」

「大丈夫だ!!」


グランを援護しようと駆けだそうとした僕を、グランが声をあげる事で止める。どうやら自らも飛ぶことで衝撃を緩和していたようだ。

D-REXは自分に苦しい思いをさせたモノに照準を合わせた。そのスコップの様な頭を地面に突き入れた。


「やばいっ!!ヴァニキス避けろ!!」


そう叫ぶが、駄目だ、間に合わない。


「えいっ!!」


その声の主はアキだった。アキは鞭を器用に扱い、ヴァニキスを絡めとり危険地帯より離脱させた。そのすぐ後に大質量の砂の塊が通り抜けた。D-REXはブレスこそ吐けないが、こうして砂の塊を飛ばすことが出来る。D-REXの頭ほどもある砂の塊が飛んでくるのだ。まともに当たればHPはごっそりと削られる。


「ありがとう、助かった」

「うん、次来るよ!!」


D-REXは完全にヴァニキスに狙いを定めたようだ。呪術師の足は遅い、これはかなり危険な状況だ。しかも隣にアキが居る。これはもう僕が入るしかないだろう。


「『ファストアップ』!!」


『ファストアップ』を使用する。思考が引き伸ばされ、景色がゆっくりになって見える。


「危なそうだから、弾幕張るよ」

「え、弾幕?」

「悪い、頼む!!」


グランからの許可は出た。本気だ。見せてあげよう、初心者の真骨頂。


「行くよ」


『投擲』スキルにより、一度に物を投げられる数は、スキルレベルとその物の大きさによって変わってくる。例えば、今の僕はナイフなら八本、剣なら二本同時に投げることが出来る。その分アイテムを消費する事になるが、密度の高い攻撃をすることが出来る。更に『ファストアップ』による全体的な速度の底上げ、この前の『スラッシュ』の連撃を格闘ゲームの強制コンボ接続であれば、今日のこれはシューティングゲームの弾幕だ。

腕を振り下ろす。その一振りで、八本のナイフが飛んで行く。腕を振り上げる。返す腕で更に八本のナイフを投げる。ある程度さっきまでで投げてしまっているので、残りは56本しかない。この全てを投げ切ったとしても、D-REXの突進は止められそうに無い。


「なら・・・」


取り出したのは四つの瓶だ。バザールでろってぃから貰った融解剤と凝固剤、それに水の入った瓶だ。融解剤と凝固剤が一本ずつ、水の瓶は二本だ。まず、融解剤と水の瓶をD-REXの足元に投げつける。するとすぐに効果が表れたようで、ズブズブとD-REXの足が沈む。それでも突進の勢いは殺しきれていない。更に凝固剤と水の瓶をドロドロに溶けた砂をかき分けるように突き進んで来るD-REXの足に投げつける。徐々に効果が見え始め、どんどん足が遅くなり、終いにはD-REXの足は止まった。


「よし」


これでもう奴は動けない。ならばあとは倒すのみ。ナイフはもう残り少ないが、まだまだ他のアイテムもあるし、鉄の剣だってある。動けないのだから近寄って『スラッシュ』を叩き込めばいい。


「待て!!」


そう考えているとグランに止められた。


「え、なに?止めは?」

「刺すな!!お前、今回の目的忘れたのか!?」

「・・・あ」


そうだった。今回はD-REXの討伐が目的じゃない。捕獲が目的だった。


「ごめん、すっかり忘れてた」

「だと思ったぜ。全く、ひやひやさせやがって」


あぁ、駄目だ駄目だ。戦闘になるとどうも熱くなりすぎてしまう。いつも討伐系ばかりで捕獲系のクエストとか殆どやってないのも悪かったかな。うん、反省。


「よし、アキ。今なら、動きも止まってるし、弱ってるから大丈夫だろ」

「うん!!行ってくる!!」


そう言ってアキは猛獣用の檻を小さくしたような籠を持ってD-REXの方へ駆けて行った。捕獲用のアイテムだ。アレでモンスターを捕獲し、調教することでモンスターをテイムする事が出来る。


「お前いっつもあんな感じなのか?」

「あんなん?」

「戦闘の時だ」

「そうだけど?」

「そうか・・・」


イマイチ質問の意図が読み取れない。が、何やらグランは溜息を吐いた。何故だ。


「なにそれ」

「いや、なんでもない」


アキがD-REXを捕獲し終え、戻ってくる。手に持つカゴの中には小さくなったD-REXが入っていた。おーおー、檻に噛り付いてる、元気だなー。と、少しほっこりとした気分になった。するとまたグランに溜息を吐かれた。だから何故だ。


「帰るか」


そうして、D-REXとの戦闘は終了した。




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