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お館様の代理人 呪いの館を相続したはずが館にめちゃくちゃ世話焼かれてるんですけど!  作者: zingibercolor
4章

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一応丸く収まったんですけど

 先にゆずさんと仙さんがやってきたので、私は「仙さんは見てるだけです。ゆずさんに動いてもらいます」と釘を差した。まあ、娘1人でやらせられない気持ちは分かるけどね。

 で、棚の引き渡しは滞りなく済んだ。なんで一晩で棚12個も引き取り手がついたんだろうと思ったら、棚12個欲しい人がいたみたいで。軽トラでやって来た引き取り手の夫婦はうれしそうだった。


「引っ越し先にたくさん本棚を置きたくて、ここのが奇跡的にぴったりでして」

「それはよかったです」


 ゆずさんと夫婦で棚を運び出してもらって、何往復かで棚は全部なくなった。私は広々とした遊戯室をヤカと眺めた。


「これでなんとかなるかなあ、実家の荷物」

{ある程度は何とかなるだろう。力仕事ならいくらでも引き受ける}

「ありがとうね」


 で、ゆずさんは夫婦からお金を受け取って見送り、「6000円あります」と私に差し出してきた。私は受け取って確認した。


「はい、確かに。で、私があなたに言ったのは、お酒を売って処分して売り上げを耳そろえて私に渡すことと、棚を処分することね」

「はい」

「棚の分の売り上げは含まないよね」

「はい」


 私の念押しに、ゆずさんは不思議そうに頷いた。


「だから、棚の分の売り上げはあげる」


 私が6000円を差し出すと、ゆずさんは目をまん丸くした。


「え、いいんですか!?」


 仙さんもびっくりしている。


「それだとうちの娘の罰になりませんが!?」


 私は言った。


「ま、警察に事情聞かれた上に働かされて、いい薬になったでしょう。で、棚の売り上げ分は契約外だから、バイト代ってことで」


 書面には棚の売り上げのこと、なんにも書かなかったしね。

 ゆずさんはおずおずと6000円を受け取り、ホッとしたようにため息をついた。


「あの……いきなり押しかけてすみませんでした……」

「これに懲りたら、後先考えずに動くのはやめなさいね」

「はい……」

「私みたいに、労働で許してくれる人ばかりじゃないんだからね」

「はい……」


 ゆずさんは改めてしゅんとした。仙さんが言った。


「すぐ融資してくださって、本当に助かりました」

「貧乏神さんは追い出しました?」

「やりました、どれだけ効果があるかはわかりませんが」

「返済期限間に合わなかったら延ばしますし、それでもまずかったら追加融資も検討しますから、まずは相談してくださいね」


 すると、私の手をつかむ小さな手があった。座敷童子ちゃんが、いつの間にか私の手を握っていた。


[あたちは戻る気ないけど、貧乏神がいなくなったなら、大きな失敗は起きないと思うのだ。せいぜい誠実な商いをするのだ]

「はい……若い人を育てます……」


 仙さんもしゅんとした。

 で、ことは済んだので仙父娘にも帰ってもらい、座敷童子ちゃんはどっかに消え、私は大きく息をついた。


「終わったー! 疲れたー!!」


 なんでこんなトラブルに巻き込まれなきゃないけなかったわけ!?

 ヤカが私の隣に来た。


{お疲れ様}

「ヤカもありがとね、変なことないか見張っててくれて」

{どうということはない。疲れたなら横になっていてくれ、昼食のリクエストはあるだろうか?}

「甘いものが食べたい!」

{では、フレンチトーストと、さつまいもとりんごのサラダを作ろう}

「わーい! ありがとう!」


 やっとのんびりの休日を過ごせる!

 虚弱無職、毎日が日曜日みたいなもんだったけど、平日は矢車ちゃんと薄荷ちゃんへの指示出しがあるし、先週の休日はトラブルで潰れたし、ヤカと二人だけの休日は、本当にのんびりって気がする。一眠りして、ご飯を食べて、あとは柴胡ロジーの配信アーカイブをゆっくり見ようかな。

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