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お館様の代理人 呪いの館を相続したはずが館にめちゃくちゃ世話焼かれてるんですけど!  作者: zingibercolor
4章

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ただ処分するよりはSDGsなんですけど

 古酒買取業者さんたちは、3連休でウイスキーを全部運び出してくれ、休日が明けたらお金の振り込みもちゃんとしてくれた。

 そんなこんなで平日。仙さんと融資の手続きに行ったりなんだりし、疲れた。薄荷ちゃんと矢車ちゃんに土曜日の騒動を愚痴ったら、2人とも驚いていた。


「そんなことがあったんですか」

「大変でしたねえ」


 私はため息をついた。


「もうめちゃくちゃ疲れた……あっ、これは金銀妖狐の話題にしちゃダメよ、古酒業界の人が見たら簡単に特定できちゃうから」

「はい!」


 矢車ちゃんは居住まいを正した。


「あ、でも、がめつい見栄張りババアが親戚の小娘に失礼されてド叱った後、落とし前付けさせるためにタダ働きさせてる、なら言ってよし」

「それはいいんですか!?」

「ネタ欲しいでしょ?」

「欲しいですけども!」


 ヤカが言った。


{あとは棚の処分か。だいぶかさばるが}


 薄荷ちゃんが私を見た。


「私たち、棚の解体くらいやりますけど?」

「ううん、ゆずさんにやらせて責任取らせないと。ヤカ、あの棚、別に高価なものじゃないよね?」

{特には。掛川氏がAmazonで安く買った棚ばかりだ}

「よし、じゃあ売るってこともないかな」


 そう思ってたんだけど、金曜の夕方にゆずさんが館に来て、恐る恐る提案してきた。


「あの、ジモティー見たら、結構棚が欲しい人っているみたいで……欲しい人に引き取りに来てもらうのはどうかなと……ただ解体するより、格安でも引き渡した方が得かと思うんですけど……」


 あー、その手があったか。しかし。


「それ、お父さんのアドバイス?」

「その、ジモティーはお父さんですけど……ただ壊すのはもったいないと思ったのは私で……」

「ふーん」


 なるほどね、まあ、よしとしますか。私は言った。


「じゃあ、ジモティーで募集していいよ。ただし、男性として募集してね」

「え? なんでですか?」 


 ゆずさんは当惑し、私は、この子世間に擦れてないなあと思いつつ言った。


「女だってだけで、変な人が来やすいのよ。男って言っとくだけで来ないなら、儲けもの」

「そうなんですか……?」


 ゆずさんはピンときてなさそうだった。ヤカがそろそろと私の隣に来た。まだゆずさんに慣れてないな。


{不逞の輩が来たら、私が縛り上げるが}

「不逞の輩が来ないに越したことないでしょ。でも取引の時は変な人じゃないか気をつけて見ててね、姿を現せとは言わないから」

{了解した}


 で、私はとりあえずゆずさんを館に上げ、棚の写真を撮らせてジモティーで募集させた。


「棚ひとつにつき500円でいいから。ひとつずつ募集しよう、ぜんぶで12棚ね」

「は、はい」


 棚寸法もあった方がいいだろうと思って、ヤカにメジャーを持ってきてもらってゆずさんに寸法をとらせ、それも募集内容に追記させた。

 で、一夜明けて土曜日。なんと、全部に引き取り手がついたとのこと。朝7時、ゆずさんのLINEからはこう来た。


「引き取りのとき、私いなきゃいけないんで早くに館に行ってもいいですか?」

「OK、私も準備しとく」


 やれやれ、あとは変な人がこなければなんとかなりそう。ヤカにも朝早くからの稼働になることを伝えると、{では、すぐ食べられるものにしよう}と、朝食にBLTサンドを出してくれた。レタスぱりっぱり、ベーコンの濃い塩気がたまらない。


「おいしいー、トマトがジューシー」

 {急場で作ったものだが、気に入ってくれてよかった}


 茶葉2倍練乳ドバ入れミルクティーも飲んで、お腹をあっためて、準備は完璧。あとは、来る人を待つばかりだな。

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