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お館様の代理人 呪いの館を相続したはずが館にめちゃくちゃ世話焼かれてるんですけど!  作者: zingibercolor
4章

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大体のことは済ませたんですけど

 自分がやったことの責任を取らせるために、ゆずさんには自分で動いてもらおうと思ってる。でもそれはそれとして、力が及ばないところや未成年の名義じゃできないことについてはちゃんと手助けするつもりでいた。だから、私は遊戯室に陣取って、ゆずさんから目を離さないつもりだった。

 で、ゆずさんはちゃんと調べ、仙さんに言われて私に了解を取って、業者を二ヶ所から呼び、どちらの業者もウイスキーコレクションを見て仰天した。


「ひ、響40年……!?」

「マッカランのファイン&レア!?」

「ブルーラベル1805……!?」

「グレンフィディック50年!?」


 見る人が見たら、だいぶすごいウイスキーコレクションみたいだな……。

 業者の人2人は顔を見合わせ、そして私に聞きに来た。


「本当に売ってくださるんですかこれ!?」

「これ全部はうちではとても買えませんよ、高すぎて……」


 うーん、なんだかめんどくさくなっちゃったな。


「じゃあ、お二人で手分けして買ってください、各ウイスキー、値段だけはつけてください。高い値段つけた方に売ります」

「そ、それならまず、ここにあるウイスキーのリストを作らせてほしいんですが……」


 知らない人ばかりなので、ヤカは遊戯室のドアの隙間に隠れていたが、話を聞いてそろそろと私の後にやってきた。私の後に半分隠れつつ言う。


{掛川氏のウイスキーリストというか、ウイスキー用の帳簿がある。持ってくるべきか?}

「あっ助かる! お願い!」


 で、ゆずさんと業者さんに帳簿と現物を見比べてもらって、ウイスキーリストはすぐ完成。リストを書斎のプリンタで何枚かコピーし、コピーしたリストを業者さん2人に渡して値段をつけさせ、それから私は不安げに立つゆずさんに言った。


「値段ついたら、全部とは言わないけどいくつかピックアップして、相場と合ってるか調べて。で、お互いの業者の値段高い方に売るウイスキーを振り分けて。変なことしないように、ここで見てるからね」

「は、はい!」


 で、さっきから座敷童子ちゃんは私の隣の椅子で、もしゃもしゃお菓子を食べながら様子を見物している。


「面白い?」

[結構面白いのだ。あ、そうだ、あたちがいる限り、買い叩きは絶対させないのだ。あたちがいる限り、この館は繁盛しっぱなしなのだ]

「それはありがたいわ」


 座敷童子ちゃんは茶葉2倍練乳ドバ入れミルクティーをぐーっと飲み干し、[おかわりなのだ!]とヤカの方へ駆け寄っていった。よく食べるな……。

 で、値段が付き終わって、ゆずさんが調べて振り分けるターン。紙とペンはこちらで提供した。仙さんも手伝おうとしてたけど、私は「アドバイス以上のことはしないでください」と止めた。


「やらかした本人に責任を取らせるためです」

「それは……はい」

「娘さんがかわいいのはわかりますけど、肝心なところで甘やかしたら本人のためになりませんよ」

「はい……」


 しばらくして、ゆずさんは「できました……」とヘロヘロになって私のところにリストを持ってきた。私もリストを確認して、振り分けにミスはなし。これでいいかな。私は業者さん2人を呼んだ。


「このリストの、丸ついてる丸がそちらに売るもの、三角がついてる方はこちらに売るももです。そういうことで手続きよろしくお願いします」


 2人は頭を下げた。


「ありがとうございます」

「いい取引をさせていただいて助かります。ただ、現物の引き取りにはもう少しお時間をいただきたく……この量ですと、人も梱包もたくさん必要で……」


 そりゃそうか、たくさんあるし割れ物だしね。


「そんなに急がなくて結構です。破損がないように気をつけてやっていただく方を大事にして。あー、でも来週の土日までに全部引き取ってくださると、とても助かります」


 ゆずさんが不安げに私を見た。


「あの……平日だと、私学校があって……」

「あなたに後やってもらうのは棚の処分。次の土日に棚を解体するなり便利屋呼ぶなりしなさい。費用が発生するならそれは出すけど、手を動かすのは全部やってもらうからね」

「は、はい……」

「勉強のほうが優先だから、平日に来いとは言いません。平日はちゃんと勉強してきなさい」

「はい……」


 で、私は各業者と売るものを改めて確認し、金額も確認して、売る書類にサインした。ゆずさんに厳しくする手前、私は平然を装ってたけど、ねえ、2業者合わせたら億近い金額なんだけど!? こんな高価なもの置きっぱだったのこの館!?

 業者さんと明日以降の搬出の打ち合わせもし、帰ってもらったら昼下がり。うわ、お昼食べるの忘れてたわ……さっきからヤカが気遣わしげに私を見てるの、なんか食べろってことか……。

 私は、疲労のため息をついて父娘を見た。


「じゃあ、今日は二人とも帰っていただいて結構です。平日になったら私すぐ銀行行って融資の手続きしますけど、仙さんはそれに一緒に来てください。ゆずさんは来週の土日に来て、棚をどうにかしなさい」

「はい……」


 ゆずさんはうつむいた。仙さんが心配そうなので、私は言い含めておいた。


「仙さんはついてきてくださってもいいですけど、していいのはアドバイスだけですよ」

「……わかりました」


 まあ、今日はこれでいいか……てか、座敷童子ちゃん、見物しながらずっとお菓子食べてるんだけど、その小さい体のどこにそんなにお菓子が入っていくの……?

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