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お館様の代理人 呪いの館を相続したはずが館にめちゃくちゃ世話焼かれてるんですけど!  作者: zingibercolor
4章

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事情はちゃんと説明したいんですけど

 掛川仙さんは土下座しつつさらに叫んだ。


「私の対応が悪くて申し訳ない! 娘に遺産があればとつい言ってしまって! あなたに瑕疵がないのは理解しています! 被害届はやめてください! 娘の学校に話を行かせないでください!」


 初手謝罪か……掛川仙さんはまともな人っぽい、まあ娘の経歴に傷をつけないことが第一っぽくはあるけど。でも、悪いのは別に仙さんじゃないんだよね。

 私はため息をついて言った。


「ゆずさんから謝ってもらえれば。悪いのは掛川さんじゃなくてゆずさんです」

「ゆず! 謝りなさい!!」


 仙さんは土下座のまま頭だけ上げて叫び、ゆずさんは涙を浮かべつつ「ごめんなさい……」とうめいた。


「言っとくけど、あなたのお父さんの土下座の原因作ったのはあなただからね。あなたが全部悪いの」

「…………」


 ゆずさんはうつむいて涙をこぼし、警官が困った顔で「お父さんの方でいいので、住所と連絡先を教えてくれませんか?」と言った。まあ、書類とか書くのに必要なんだろうな。

 私が「掛川さんはもういいですから、住所とか教えて差し上げてください」と声をかけると、仙さんは立ち上がったものの、立ちすくんでそれ以上近づいてこない。どうしたんだ? と思っていたら、仙さんはおびえた顔で言った。


「そ、その……私はその館に入れなくて……すっすみません、いろいろあって……」


 私はヤカを見た。


「ヤカ、掛川さんに何したの」


 ヤカは気まずそうに言った。


 {そ、その……転ばせたり、物をいろいろ落としたり……重いものを……館を壊されるのだけはなんとしても避けたかったので、骨折くらいまでならいいかと思っていた……}


 掛川仙さんは私たちのやりとりを聞いて「?」となっていたが、警官の1人が掛川仙さんの方に行き、いろいろ聞き取って、また館に戻ってきた。


「どうします? 被害届出しますか?」

「親御さん来たしやめときます、あとは話し合いで」


 掛川父娘ともうちょっとちゃんと話したいし、本当に困ってるなら、ちゃんと頼んでもらえれば援助くらいするし。


 で、警察には帰ってもらって、私は玄関を出て掛川仙さんの方へ歩み寄った。


「私はゆずさんに正式に謝ってもらえればいいんですけど、後はお館様がどう捉えるかですね」

「お館様……父のことですか?」

「いえ」


 私は、玄関のドアを抑えて、半分ドアの影に隠れているヤカを見た。


「この館ができたときから、ずっとこの館に染み込んでる人のことです」

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