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お館様の代理人 呪いの館を相続したはずが館にめちゃくちゃ世話焼かれてるんですけど!  作者: zingibercolor
第1章

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7/21

確かに歩くのは大変なんですけど

 鎌倉からこの館に引っ越してきたので、鎌倉市役所に転出届を出しに行った。そのせいで歩き過ぎて、案の定翌日熱を出した。38℃。


「無理ー……タクシー駆使しても歩きまくるよ……」


 行き帰りはタクシーで済ませたんだけど、市役所内で迷って結構歩いたら、疲れと熱でもうフラフラ。

 ポカリを煽りつつ、私はうめいた。


「あー、転入届、どうやって出しに行こう……」


 ここは横浜。鎌倉と違って市役所だけでなく区役所が点在していて、区役所だけなら比較的近くにあり、これもタクシーで行ける。でも一度も行ったことないから、中でまた迷うと思うし……。

 うめきながら水分だけとって寝て、起きて、部屋の外のお手洗いに行こうとしたら、部屋の前にデカいものが置いてあった。え!? 車椅子!?

 車椅子って、座って車輪を手で回すやつしか知らなかったけど、この車椅子は全体的にスリムで、車輪がそんなに大きくなく、どうも電動で動くらしい。右手側に、操作用のジョイスティックがついてる。

 お手洗いに行ってから、改めて電動車椅子を見直す。椅子部分に簡単な使用説明書が置いてあったので、それに従って電源を入れ、座ってみるとジョイスティックでなかなかよく動く。

 お館様が生きてた時に使ってたのかな? 私に車椅子使えってことかな? うーん、私、別に足が悪いわけじゃないんだけど……。

 でも、座ったまま移動してみてわかった。体が楽すぎる。私、歩いただけで熱を出すんだから、歩行困難な人間として車椅子使ってもいいんじゃないだろうか。

 そう言うわけで、転入届を出す日。車椅子が乗れるタクシーを頼んで、区役所まで連れて行ってもらった。車椅子に乗ったまま区役所に入り、一階に総合案内があったのでそこで何もかも教えてもらった。エレベーターで目的のフロアに上がり、あらかじめ書いてきた書類を窓口に出して、マイナカードで本人確認して、転入手続き終了。

 区役所は意外とバリアフリーな作りで、区役所内でつまづいたり止まってしまったりはなかった。まあ、移動するときに車椅子分のスペースが必要な問題はあったけど。

 総じてそこまで不便ではなく、私はまた車椅子OKのタクシーを呼んで帰った。よかった、そんなに疲れず帰ってこれた。

 転出届を出しに行った後よりずっと体調が良くて、転出届を出した日は喉を通らなかったご飯も食べられた。今後外に出る用事があっても、電動車椅子で少し楽になるかな?

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