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お館様の代理人 呪いの館を相続したはずが館にめちゃくちゃ世話焼かれてるんですけど!  作者: zingibercolor
4章

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小さい子でも侵入は怖いんですけど

 館での暮らしにも慣れたし、そろそろ実家の片付けを考えたいんだけど、何から手を付けていいか全然わからない。一応、本とか思い出の品とか、残しておきたいものだけ選り分けて館に持ってきて、あとは売るなり捨てるなりしたいなとは思ってるけど……。

 ヤカに相談したら{まず、館のどこに実家からのものを置くか決めてはどうだろうか}と言われた。それはそう。

 で、午前中に2人で館の部屋を見て回って、どこに置くのがいいだろうと相談しあったんだけど。いろんなものをまとめて置いとける部屋、なかなかないなあ。使わない部屋はたくさんあるんだけど、やっぱり長年人が住んでただけあって、どの部屋にも家具がそこそこあって、まとまったスペースがない。

 ビリヤードルームを見て、私はボヤいた。


「このウイスキーコレクションがなかったら、いい感じのスペースが空くのになあ……」


 もともとは、お酒を嗜みつつビリヤードをやる部屋だったみたいだけど、そこにびっしり棚を創設してあって、高そうなウイスキー瓶がギッシリ。ほとんどが未開封。


{ウイスキーについては、私が摂取して処理することはできるが、入手した値段からすると、それはあまりにももったいなさすぎる}

「そうよねえ、でもこの量だと売るのも手間だし……」


 どうしたもんか。

 お昼ご飯の時、矢車ちゃんと薄荷ちゃんにも話を振って、実家の荷物の運搬と整理は快諾を得たものの、スペースのなさはやっぱりどうにもできないみたいだった。


「ご実家のものを入れるためのお部屋の整理なら、いくらでもできますけど」

「本気出せばそこそこ力仕事できますしね、私たち。どうしますか?」

「そうねえ、まず館の方の整備が必要よね……まず、候補の部屋を選ばなきゃね……」


 どうしたもんかなあ。

 九さんち産の栗の炊き込みご飯をもぐもぐし、セリとお揚げの煮物をもぐもぐし、シーフードミックスと白菜の生姜炒めをもぐもぐし、エネルギーを補給しつつ考えても、なかなかいい案が出なかった。まあ、1階の部屋の方が荷物運びやすいから、1階の部屋の中から選ぶべきだと思うけど。

 とりあえずお昼ご飯を終え、舘に戻り、自室でのんびりしつつ庭の写真をSNSにあげてヤカに喜ばれようと考えたとき、視界の端にチラッと赤いものがよぎった。


「ん?」


 なんだろ?

 すると書斎の扉がひとりでに開き、そして閉まった。


「え? ヤカ何かした?」

{いや、何も……というか、おかしい}

「え?」

{誰もいないのに、書斎の床を踏んで歩いている者がいる}

「!?」


 何!? また強盗!?


「あ、あわわわわ、ヤカ、ごめん、助けて!守って!」

{いや、踏む重さからして、せいぜい子供だ}

「子供?」


 矢車ちゃんが「あの」と私に声をかけた。


「多分、人間じゃないです」


 薄荷ちゃんも言った。


「妖怪とかその類……いわゆる、人ならざるものです」

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