お金のことはきちんとしときたいんですけど
ところで、天照大御神様のことでのお礼として、九さんから一千万振り込まれた(経費別)。本当に大金! お前にとっては端金だろうと言われたけど、それは掛川さんの遺産が異常すぎるだけだよ!
で、私だけもらうのはよくないと思う。矢車ちゃんも薄荷ちゃんも、そして何よりヤカもこの件ではたくさん働いたわけだし。
そういう訳で、お昼ご飯のとき、矢車ちゃんと薄荷ちゃんにお礼の1割ずつを渡すと伝えた。2人とも目を剥いた。
「そんなに!?」
「運んだだけなのに!?」
私は牡蠣のおろし煮を飲み込んで言った。
「だってお菓子とお茶の選定と、薄荷ちゃんは評価の集計も頑張ってくれたでしょ。何ももらわないのはダメよ」
それでも、二人ともビビリ倒している。働いた分だけもらってほしいってだけなんだけどなあ。
私は言った。
「一応、贈与って扱いにしてね。100万円なら贈与税かかんないし」
矢車ちゃんがうなだれた。
「税金のこと、なんにもわかんないです……」
「そんなんじゃダメよ、いつ金銀妖狐がバズるかもわかんないのに」
「税金がかかるほどに!?」
「ま、税理士さんが必要なことが出たら、伝手あるし雇ってあげるから」
薄荷ちゃんはため息をついた。
「なんか身に余る大金ばっかりで、どうすればいいのか……」
「ま、建設的なことに使いなね。特に思いつかなかったら、使いたい時に使えるように貯金しておきなさい」
ヤカがレンコンの金平を食べつつ言った。
{あとの8割はあなたか}
「ううん、私は1割だけもらう」
{え? では、あとの7割は?}
「ヤカの」
{私の!?}
ヤカは飛び上がるほどびっくりした。そんなに?
私は説明した。
「だって、館の主で館貸してくれたのはヤカでしょ? 一番もらうべきよ」
{そ、そうかもしれないが……}
「ヤカのクレカ作ったときの口座に振り込んどくね、ネットバンキングの限度額いっちゃうかもだから、何日かに分けないといけないかもしれないけど」
ヤカは当惑したように頭を振った。
{しかし、特に使う宛もない}
「今はなくても、将来的にあるかもしれないでしょ? それに、自分で稼いだお金あるっていいもんよ?」
{そうか……では、もらっておく}
よし。
ヤカの口座は私名義だから、ちょっとズルだけど、私が単にお金を移動させたとみなしてもらおう。そしたら贈与税かかんないし。
1千万円。もちろん収入分の所得税は取られるけど、それは掛川さんの遺産から払って、自分の100万は地球温暖化対策をしてるところに突っ込む。天照大御神様は地球温暖化に困ってるみたいだから、CO2を減らすために使わせてもらおう。




