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お館様の代理人 呪いの館を相続したはずが館にめちゃくちゃ世話焼かれてるんですけど!  作者: zingibercolor


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流石にここまでとは思ってなかったんですけど

 引っ越しが終わってベッドに倒れ込んだあと。しばらくしてなんとかベッドから起き上がって、気力だけでシャワーを浴びて、水でサプリだけ流し込んで、ベッドにぶっ倒れて、次の朝までぶっ倒れたままだった。

 もそもそ起きる。脱水で頭が痛い。洗面台で水を汲んでガブガブ飲んで、昨日買って冷蔵庫に入れといたコンビニサンドイッチを野菜ジュースで流し込んで、なんとか動き出す。体弱々人間だから、栄養面は普通の人以上に気を使いたいけど、自炊もしたいけど、館が広すぎて台所が遠い……。

 とりあえず、この部屋を根城にして暮らすためには食料を買い込みたい。スマホを開いて、Uberのアプリから最寄りのスーパーを探して、すぐ食べられるものや冷凍食品や牛乳や野菜ジュースなどを片っ端からカートに放り込み、注文した。女の一人暮らし、知らない人を家に入れたくないから玄関の前に置き配する設定にして、それから実家とは勝手が違うことに気づいて後悔した。この部屋から玄関まで、だいぶ遠いよ! たくさん買い込んだ重い荷物を運ぶの!?


「無理ー……なんでこんな広いの……遠いよ……」


 買い物は全部ネットで済ませたいわけだけど、宅配ボックスもないし……。

 げんなりしつつ、部屋の整理などしていたらまた限界になり、私はまたベッドにぶっ倒れた。

 しばらくしてハッと目覚めて、スマホの時間を見ると、置き配されてから相当経っている。冷凍食品傷んじゃう!

 あわてて起きて部屋を出ようとしたら、見覚えのない大きなビニール袋が冷蔵庫の前にたたまれて置いてあるのに気づいた。ビニール袋にはレシートが貼ってあって、それはまさにUberで注文した内容のレシート。


「……もしかして」


 冷蔵庫の中を見ると、注文した食材が整然と並べられていた。


「え、そこまでやってくださるんですか、お館様……?」


 えらく気が利くと言うか、世話焼きと言うか……。お館様、つまり私の実の祖父の掛川右京氏は、だいぶ偏屈な人だったそうだけど、こんなにやる人なのか……?

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