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お館様の代理人 呪いの館を相続したはずが館にめちゃくちゃ世話焼かれてるんですけど!  作者: zingibercolor
第2章

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別視点 {お館様}の狼狽

 ま、真希氏を泣かせてしまった! どうすればいいんだ!? どうすればいいんだ!?

 姿を見せてしまってから。{私}はどうしていいか分からなくて、ずっと身を潜めていた。真希氏は無事に警察に保護され、ことが済んでから館を直してくれた。警備システムもしっかりつけてくれた。そのことはうれしかったけれど、それから真希氏は私のことを探し始めた。けれど、専門家に{お館様}はどこにもいないと言われて、悪くすると死んでいるかもしれないと言われて、彼女は愕然とし、一人になってからポロポロ泣き始めてしまったのだ。

 生きている! 私は普通に生きている! そんなに悲しませるなら、彼女が私の真の姿を見ても嫌わないなら、ちゃんと説明すればよかった!

 しかし。

 私は、ちゃんと発声したことがほとんどない。うまく話せる自信がない。人の姿を模したことがないから、何とか形をつくったとしても、感情に表情をつなげられない。無表情のよくわからない物体がいきなり現れても、やはりおびえさせるだけではないか?

 真希は、泣きながら眠ってしまった。私は彼女が寝入ったのを確認して、彼女が用意してくれたペンを触手で取った。そして、用意されたメモに、こう書き込んでおいた。


 {私は無事だ。私はあなたの祖父ではない、この館ができたころからこの館に寄生している存在だ。自分のことはよく分からない。ちゃんと声を出したことがないので、話すのは少し待ってほしい。あなたに驚かれないような姿を作るのにも、もう少し時間がほしい。しばらくは、このメモでやり取りさせてもらえないだろうか?}


 これで大丈夫だろうか? これで、真希氏はもう泣かないだろうか?

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