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お館様の代理人 呪いの館を相続したはずが館にめちゃくちゃ世話焼かれてるんですけど!  作者: zingibercolor
第2章

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お館様VS狐とは思わなかったんですけど

 唖然とする私に、爆美女 (多分玉藻ミクさん)は微笑んで言った。


「この館、私の別荘にしたいの。いいですわね?」


 い、いや、何もよくないけど!

 私は、私はできるだけこの館で暮らしたい。めちゃくちゃ優しくしてくれて世話してくれて保護してくれる{お館様}がいるし!

 どうしよう、さっきの怪しげな力で操られたら絶対勝てない、怖い……いや、お館様ならこの人に勝てるかもしれない! お館様はこれまで私をすごく助けてくれて、すごく優しくしてくれて、すごく保護してくれた! 信じろ! お館様を信じろ!

 私は、大きく息を吸ってから答えた。


「それは、お館様のご意向次第です」

「はい?」


 変な顔をする玉藻さんに、私は告げた。


「法律その他については、私はあくまで『お館様の代理人』なので。お館様、もし嫌でしたらこの人を絨毯でぐるぐる巻きにしてください!」

「は!?」


 すると、玄関ホールに敷いてある赤い絨毯が踊った。赤い絨毯はあっという間に玉藻さんに絡みつき、簀巻きのようにしてしまった。

 玉藻さんは目を剥いた。


「ちょっと! どういうこと!? どういう仕掛け!?」

「お館様はその辺自由にできるみたいなので……」


 玉藻さんは暴れるも、全然絨毯を振りほどけていない。

 ……お館様が私の声を聞いてくれたということは、お館様はこの人に住まれるのが嫌ということ。あとは、玉藻さんに諦めてもらえればそれで済むけど……。まあ、しばらく簀巻きにしとけば、諦めてくれるかなあ。

 いろいろありすぎて疲れたので、私はため息をついた。


「えーと、私疲れたので部屋戻ります」


 玉藻さんは眉をつり上げて騒いだ。


「ちょっと! あなたどういう化性を使役してるわけ!? どうにかしなさいよ!」

「うーんと、お館様が嫌なことする限りそのままだと思います。あ、お館様、私の部屋のドア外から空けられないようにしてください」


 私はさっと東館の自室に逃げ、ドアを閉め、聞こえてくる玉藻さんの叫びを無視して適当に夕飯を食べてシャワーして寝た。

 一夜明けて。適当に食べて、身繕いしてから部屋を出ると、玉藻さんは髪も化粧もボロボロの状態で、まだ絨毯に巻かれていた。玉藻さんはヘロヘロになって言った。


「離してよ……」

「私は何もしてませんよ、お館様が嫌だから簀巻きにしてるだけです」

「どうしたら離してくれるのよ!」

「だから、お館様が嫌なことしなければいいんです。ここを買うのは諦めてください」

「こんな家いらないわよ! 出して!」


 玉藻さんがそう叫ぶと、絨毯がいきなりほどけ、玉藻さんは放り出された。玉藻さんは床を跳ね、そしてボンと音を立てて、尻尾がたくさんある黒狐になった。私は肝をつぶした。


「ええ!?」


 黒狐は叫んだ。


「二度と来ないわこんな所!」


 空間にいきなり裂け目が開き、黒狐は裂け目に飛び込んでしまった。裂け目は、すぐに閉じた。

 あまりのことに、しばらく呆然としていると、インターホンのチャイムが鳴った。何!? 今度は何!?

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