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人生をやり直しますか? 〜YES or NO〜 【みんなの心の中が読み取れる少女は、やり直し高校生活でやりたい放題です】  作者: 相賜 奏合


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[93]

長く続いた雨が終わりを告げる。


湿った風は、

いつの間にか夏の匂いへと変わっていた。


地中で眠っていた蝉たちも、

一斉に鳴き始める。


学生たちにとって夢の期間。


そして――


真子にとって、

高校生活最後の夏休みが静かに幕を開けた。


⸻


ジリジリと焼けるような日差しの中――


真子たちは、

川辺でバーベキューをしていた。


透き通る川。


青空。


山から吹き抜ける風。


完全に夏だった。


真子は川へ向かって両手を広げる。

「うっしゃあああーー!!」


「今日はオールナイトで遊びまくるぜぇぇぇい!!」


「「「「「おおおおおーーー!!」」」」」


テンションは最高潮。


だが――


現在、

男性陣は地獄を見ていた。

「なんで俺らだけ火起こし係なんだよぉぉ!!」

ケンケンの叫び声が川辺に響く。


澪が川から叫び返す。

「男子だからでーす」


玲子も川の中で笑っている。

「火おこし、ガンバっ!」


由美も足をパシャパシャさせながら笑顔。

「ケンケーン、頑張ってー」


BBQコンロ前では、

ケンケンとMMORPG三人衆が

炭と格闘していた。


生徒A(オルテガ)が汗を拭う。

「我らも早く火をつけて川遊びを楽しもうぞ!!」


生徒B(ガイア)は腕を組み、

川辺を眺めている。


「あー・・・・」

「俺はここから見てる方がいい・・・・」


視線の先。


水遊び中の女子達。


特に澪。


生徒C(マッシュ)が炭を団扇で必死に煽ぎながら叫ぶ。

「ガイア!ボサっとしてないで手伝えよ!」


ケンケンはメガネをクイクイさせた。

「貴殿たち・・・・」

「こういう時に関しては統率が取れてなさすぎでござる・・・・」


その瞬間。


マッシュがジト目になる。

「そう言うお前も・・・・」


団扇を止める。


「由美ちゃんばっか見てて、手が止まっておろうに」


ケンケン、

ビクゥッ!!


「そ、そんなことないでござるよ!!」


クイクイクイクイッ!!

メガネ速度爆上がり。


オルテガ、

ニヤァ。

「ほう?」

「否定が早いな?」


ガイアも口元を歪める。

「これは図星だな」


ケンケンは顔を真っ赤にする。


「ち、違うでござる!!」

「我はただ由美殿の安全を確認していただけで・・・・」


「愛でござるな」

マッシュが真顔で言う。


「愛でござるな」

オルテガも頷く。


「愛でござるな」

ガイアまで乗っかる。


「そんな時は連携取らないでよいでござるぅぅぅぅ!!」


その時――


ボォォォォッ!!


炭に火が入った。


「おおおおおっ!!」


三人衆、

歓喜。


「ついに!!」


「火種が!!」


「我らの時代が来た!!」


だが次の瞬間。


ボォォォォォォォォッ!!!!


火柱。


「「「「「熱ぅぅぅぅぅぅ!!!」」」」」


炭が一気に燃え上がる。


ケンケンはメガネを押さえながら後退。

「酸素を送りすぎたでござるぅぅ!!」


マッシュが涙目で叫ぶ。

「ヒゲがぁぁぁ!!」


「お前ヒゲないだろ!!」

ガイアがツッコむ。


川辺から爆笑が飛ぶ。


真子は腹を抱えて笑っていた。

「バカだーー!!」

「あいつらバカしかいないーー!!」


玲子も笑い転げる。

「もうあいつらだけで漫才できんじゃん!!」


そんな中。


莉英奈だけは、

パラソルの下で静かにジュースを飲んでいた。

「・・・・平和だねぇ」


真子がニヤニヤしながら隣へ座る。

「りーなも川入ればいいのに」


「焼けるから嫌」


即答。


「女子高生の夏は紫外線との戦いなの」


「女子力たかーい」


「まこちが低すぎるの」


そんなやり取りをしていると――


ようやく火起こしを終えた男子陣が、

ヘロヘロになりながら戻ってきた。


「終わった・・・・」


「もう今日の仕事全部終わった気分・・・・」


「帰りたい・・・・」


だが。


真子は満面の笑み。


「よーーーし!!」


立ち上がる。


「肉焼くぞぉぉぉぉ!!」


「「「「「うおおおおお!!!」」」」」


⸻


夕方――


空はオレンジ色に染まり始めていた。


大量の肉。


大量のジュース。


大量の笑い声。


真子たちは、

完全に夏を満喫していた。


そして。


肉を食べ終え、

皆が満腹でぐったりしていたその時。


真子がニヤリと笑う。

「・・・・ねぇ」


全員を見る。

「このあとさ」


一拍。

「肝試し、やらない?」


「「「「「えっ!!!」」」」」


一瞬で、

皆の顔から笑顔が消えた。

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