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人生をやり直しますか? 〜YES or NO〜 【みんなの心の中が読み取れる少女は、やり直し高校生活でやりたい放題です】  作者: 相賜 奏合


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[87]

1学期中間テスト結果発表日――


廊下には、大量の生徒が集まっていた。


「うおっ、今回やべぇぞ」


「誰が1位だ?」


「石本さん、また上位じゃね?」


ザワザワと騒がしい。


そんな中――


掲示板の前で、一際大きなどよめきが起こる。


「・・・・えっ?」


「はぁ!?」


「マジかよ!?」


視線が、一箇所に集中していた。


順位表。


そこには――


【2位 石本 真子 493点】


と書かれていた。


「石本さん、勉強もできるのかよ・・・・」


「やべぇなあいつ・・・・」


「チートじゃん・・・・」


賛辞。


困惑。


若干の引き。


様々な声が飛び交う。


その少し後ろ。


真子は腕を組みながら、

ドヤ顔で掲示板を見ていた。

(ふっ・・・・)

(高校生活を一度終えてる大人、舐めんなよー)


心の中で勝ち誇る。


だが――


真子の表情は、

徐々に曇っていった。


視線は自分の順位より上。


そこには――


【1位 入来 翔 495点】


「・・・・」


ピクッ。

真子の眉が動く。


周囲もザワついていた。


「入来先輩すげぇ・・・・」


「なんでそんな頭いいのに留年したんだよ・・・・」


「絶対学校来てないタイプなのに・・・・」


真子、

ムスッ・・・・。


納得いっていない顔だった。


⸻


3年4組、教室。


入来はいつものように椅子へ深く座っていた。

足を組み、太々しい態度。

完全にラスボス。


その姿を見つけた真子は入来の元へズンズンと歩み寄る。


教室中の視線が集まるなか、

真子は机をバンッと叩く。


「ショーくん!!」


入来は片眉を上げる。

「・・・・あ?」


真子がビシッと指を突きつけた。

「期末テストで勝負だっ!!」


シーーーーン・・・・


教室が静まり返る。


「・・・・え?」


「今の石本・・・・?」


「なんか熱くない?」


香織が目を丸くする。

「まこち、どうしたの?」

「そんなムキになるなんて珍しくない?」


理絵も頷く。

「たしかに・・・・」

「今までこんな真子、見たことない」


莉英奈が真子を見る。

「そんなにショーくんに負けたの悔しいのかしら?」


真子は、

グッ・・・・と唇を噛み締める。


そして。


「こんな不良生徒に負けたのが悔しいのっ!!」


教室は騒つく。


澪が小声でツッコミを入れる。

「不良生徒?」

「まこちが言えた立ちではない・・・・」


入来は、

フッ・・・・と笑った。

「負け犬の遠吠えだな」


ピキッ。

真子の額に青筋。


「なーーぁーーにーーぃーー!!?」

「言っちまったなーーぁーー!!」


玲子は由美の耳元でささやく。

「あれ、なにかのネタかな・・・・」


由美は無言で首を横に振る。


真子は入来に差していた指を上に上げる

「期末で私が勝ったら!!」

「私の言うこと、なんでも聞きなさい!!」


教室が響めく。


「「「「「おおーーーっ!!」」」」」


真子はさらに続ける。

「負けたら!!」

「なんでも聞いてあげるわ!!」


「「「「「うおおおおお!!」」」」」


クラスメイトが完全にギャラリー化していた。


だが一方で――


「今日の石本どうした?」


「なんかおかしくね?」


「そんなに負けたの悔しかったのか・・・・?」


皆、困惑している。


入来は肩を竦める。

「イイぜっ」


そして、ニヤリ。

「その賭け、乗った」


教室は再び響めく。


入来は真子を真っ直ぐ見つめた。

「お前には聞きたいことが山ほどあるからな」


一拍。


「俺が勝ったら――」

「洗いざらい正直に話してもらうぜ」


真子の表情がほんの少しだけ揺れる。


だが――

すぐにニヤリと笑った。

「上等じゃん」


こうして、期末試験。


石本真子VS入来翔


誰も予想しなかった、

絶対負けられない?

戦いが、幕を開けた。


⸻


そして――


期末試験当日。


教室では、いつになく気合いの入った真子の姿があった。


なぜか・・サングラス着用。


「うっしゃああああ!!!」


机をバンッ!!


「全教科満点獲ったるでぇぇぇぇ!!」


澪は顔を引き攣らせながら真子を見る。

「・・・・まこち」

「ヤクザ映画みたいになってる」


莉英奈は溜息。

「なんか“負ける側のキャラ”に見えるんだけど・・・・」


玲子は頷く。

「すでに負けフラグ立ってる気がする・・」


だが真子は、

完全にノリノリだった。


一方、入来は――


いつものように、

太々しく座っている。


余裕。


圧倒的余裕。


そこへ――


原田が試験用紙を持って入ってきた。


「おーし」

「期末試験始めんぞー」


そして、ふと真子を見る。

「・・・・ん?」


目を細める。

「いーしーもーとー」


真子はビクッと肩を揺らす。


「サングラス外せ」


一拍。


「カンニング扱いにするぞ」


「チッ」

真子の舌打ちが響く。


教室は爆笑。


真子は渋々サングラスをカバンへしまった。


試験用紙が配られていく。


教室が静まり返る。


原田が号令をかける。

「んじゃー・・・・」

「始めー」


パラッ――


全員が、一斉に問題用紙をめくった。


期末試験。


開幕である。


⸻


数日後――


廊下掲示板にて結果発表。


「期末試験、結果はっぴょぉぉぉぉぉーーー!!」

原田のテンションだけいやに高い。


皆が掲示板へ集まる。


そして――


静寂。


【石本 真子 499点】


「「「「「うおおおおお!!!」」」」」


「バケモンだろ!!」


「1問ミスだけ!?」


「え、これ1位じゃね!?」


だが――


その上。


【入来 翔 500点】


シーーーーーン・・・・


真子は膝から崩れ落ちた。


「ま・・・・」

「負けたぁぁぁぁ・・・・」


ガクリ。


魂が抜けて四つ這いで動かない。


そんな真子を入来は仁王立ちで見下ろし、

高笑いした。

「あーっはっはっはっは!!」

「残念だったな、真子!!」

「俺の勝ちだ!!」


莉英奈は呆気にとられた顔をする

「・・・・いや」

「2人とも凄いんだけど」


一拍。


「なんでだろ」

「全然すごく感じない、この空気・・・・」


クラス全員、

静かに頷く。


そして、入来は真子の近くへと歩み寄る。

「よし」

「今から屋上来い」


玲子が慌てて即反応をする。

「ちょっと待って!!」


入来を見る。

「ショーくん」

「まこちを屋上に連れてって何する気?」


澪は妄想を膨らませ、口を手で覆う。

「ま、まさか・・・・!」

「真子を霰もない姿に――」


「しねーよ!!」

入来は即ツッコミ。


「コイツとはサシで話したいことが山ほどあるんだよ!!」


一拍。


「おまえら、誰もついてくんなよ」


そう言うと――


入来は崩れ落ちている真子の襟を掴み、子猫を持ち上げるように引っ張る。


ヒョイ・・・・

ズルズルズル・・・・


真子は項垂れ引きずられていく。


「ま、待ってぇぇ・・・・」

「再試合ぃぃぃ・・・・」


誰も助けなかった。

完全勝利の入来に誰も口は挟めなかった。


こうして――


敗北した真子は、

屋上へと連行されていくのであった。

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