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人生をやり直しますか? 〜YES or NO〜 【みんなの心の中が読み取れる少女は、やり直し高校生活でやりたい放題です】  作者: 相賜 奏合


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[79]

6人は、明らかに“怪しい動き”で園内を進んでいた。


「・・・・見失うなよ」

玲子が小声で言う。


「尾行ってもっとこう・・自然にやるもんじゃないの?」

莉英奈が呆れる。


澪は双眼鏡を構えていた。

「目標確認!現在ポップコーン売り場前!」


「いや双眼鏡いらんやろ!」

即ツッコミ。


その先――


由美とケンケン。


並んで歩いている。


ぎこちない距離。


けれど――


確実に近い。


理絵が小声で震える。

「・・これ・・・・くるんじゃない?」


香織が頷く。

「雰囲気、完全にそれだよね」


玲子、ニヤリ。

「・・・・全員、“しない”でいいな?」


皆は顔を合わせて、無言で頷く。


――最低な連携だった。



ベンチ。


2人が座る。


沈黙。


だが、それが心地いい。


ケンケンが口を開く。

「・・今日は、その・・・・」


由美が俯きながら答える。

「うん・・・・」


距離が、少しだけ縮まる。


影が重なる。


「「「「来るぞ・・・・」」」」


草陰で見守る4人。


そして――


顔が、近づく。


「いけッ!」


「やれっ!」


「いや止めろ!!」


全員、心がバラバラ。


距離――5cm。


3cm。


1cm。


その瞬間。


「うおおおおおおお!!!」


4人、飛び出す。


「ストーーーップ!!!」


「はぁ!?」

2人は完全に固まっている。


玲子が指を突きつける。

「今のはノーカンだ!!」


澪が頷く。

「うん、まだ触れてない!!」


理絵

「ギリセーフ!!」


香織

「アウトだけどセーフ!!」


「なんでござるか!?」

ケンケンは顔を赤らめて突っ込む。


由美も顔真っ赤。

「ちょ、ちょっとみんな!?」


「逃げるでござる!!」

ケンケンが手を引く。


2人、ダッシュ。


「逃がすなああああ!!」


4人、追走。


完全に鬼ごっこ。



園内を駆け抜ける。


ジェットコースター横。


パレード横断。


ポップコーンぶちまける子供。


「すみませーーん!!」


「謝ってる場合かーーー!!」


カオス。



物陰。


再び2人。


息を切らしている。


「はぁ・・はぁ・・」


「もう・・追ってこないよね・・?」


静寂。


ゆっくりと――


顔が近づく。


「・・由美」


「・・うん」


距離、1cm。


呼吸が重なる。


――その瞬間。


「いたあああああああ!!!」


「まだキスしてないぞーーー!!!」


「取り押さえろーーー!!!」


ケンケンは溜息混じりで愚痴る。

「なんで分かるんだよ!!」


再びダッシュ。



そして夕方。


観覧車前。


「・・ここなら・・」


ケンケンが呟く。


2人、乗り込む。


ゴンドラが、ゆっくりと上昇していく。


「乗れえええええ!!!」


4人、ギリギリで滑り込む。


中は――


6人が缶詰状態ーー


地獄だった。


「やめろおおおお!!」


「阻止しろーーー!!」


「いやー、もう、なんなのー!!」


「ネズミー人形のためだーー!!」


「観念しろルパーーン!!」


「誰がルパンでござるかーー!!」


狭い空間で大騒ぎ。


外から見るとただのカオス。



その下。


莉英奈と真子。


見上げている。


莉英奈、ドン引き。

「・・・・もうさ・・キスさせてあげれば?」


真子、肩を竦める。

「仕方ないなー」


スッ……


手を上げる。


パチン

パチーーン


連続音


観覧車の1台に


透明な壁のようなものが、ふわりと包む。


「・・・・今、何したの?」

莉英奈が首を傾げる。


「外部遮断」

「と、」

「内部分断」

真子が軽く言う。


「2人に結界張ったから、4人は介入できない」


「・・・・そんなことできるんだ」

莉英奈、ちょっと引いた顔で真子を見つめた。



ゴンドラの中。


ケンケンと由美は手を繋いだまま呆然としている。


静かだった・・・・


さっきまでの喧騒が、嘘のように消えている。


「・・あれ?」


ケンケンが周りを見る。


誰もいない。


「・・え?」


由美も周りを見る。


「・・2人だけ・・?」


2人は顔を見合わせる。

「4人・・入ってきた・・よね?」


沈黙。


夕焼けが、差し込む。


オレンジ色の光。


ゆっくりと、時間が流れる。


そのまま見つめ合う2人


「・・・・由美」


「・・・・うん」


距離が縮まる。


今度は――


邪魔は、入らない。


誰も、邪魔しない。


そっと。


唇が、触れた。



その外側。


ガンガン叩く4人。


「なにこれーーーー!!」


「なんで急に壁ができるのさーー!!」


「見えねえええええ!!」


「何やってるか分かんないいいい!!」


「くっそおおおおお!!」


「絶対今してるってえええ!!」


そして――


ふと、見えた。


一瞬だけ。


夕焼けの中。


重なる影。


「・・・・あ」


全員、固まる。


そして、理解した瞬間だった。


ゆっくりと、膝から崩れ落ちる4人。


「・・・・終わった・・・・」


「負けた・・・・」


「尊いけど悔しいよーー」


完全敗北だった。



下で見上げる真子。


満足そうに微笑む。

「ほらね」


莉英奈は呆れながらも、少しだけ笑った。

「・・あんた、ほんと・・・・」

「余計なことしかしないよね」


真子はニヤリとする。

「最高でしょ?」


莉英奈は肩を竦める。

「まぁ、これが」

「まこち、なんだよねー」


夕焼けの中。


観覧車は、ゆっくりと回り続けていた。

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