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人生をやり直しますか? 〜YES or NO〜 【みんなの心の中が読み取れる少女は、やり直し高校生活でやりたい放題です】  作者: 相賜 奏合


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[75]

まだ陽も昇らず、空が薄暗い時間。


6人は小屋の扉から顔を出す。


息を殺しながら、慎重に周囲を確認する。


「・・見張りは・・いない」

「いないよね・・」


小さな声で確認し合うと、6人は東へ向かって走り出した。


草をかき分ける音と荒い息遣いだけが響く。


何度も後ろを振り返る。


だが、追ってくる気配はない。


その静けさが、逆に不気味だった。


小一時間進み続けた。


やがて視界が開ける。


島の東端だった。


広い草原が広がっている。


朝露に濡れた草が、かすかに光っていた。


「・・着いた・・・・」


玲子が息を切らせながら呟き、海を覗き込む。


その先瞬間、言葉を失った。


断崖。


真下は見えない。


ただ、底の見えない“落ちる先”だけが広がっている。


高さは、およそ50メートル。


「・・うそでしょ・・・・」


逃げ場は、なかった。


その時だった。


「そこで、何をしている?」


低い声が背後から響く。


全員が振り向く。


そこに立っていたのは――

校長先生だった。


「校長先生!!」


6人は一斉に駆け寄る。


必死に説明する。


島のこと。


人柱のこと。


ケンケンのこと。


校長先生は黙って聞いていた。


そして、ゆっくりと頷く。


「そうか……そうか……」


莉英奈が校長先生に尋ねる。

「校長先生、なぜこんな所に・・・・」

「私たちを探しに来たんですか?」


校長先生の口元が、わずかに歪む。

「狐巫女様の言った通りだな」


空気が凍る。


「・・・・は?」


校長先生は構わず続ける。

「お前たちが逃げようとすることは狐巫女様が予言されていた」


「この場所に来るということもな」


6人は後退りし、校長先生から少し距離をとる。


校長先生は薄ら笑いを浮かべる。

「大事な人柱なんだー」


「逃げちゃダメだよー」


6人は言葉を失う。


「3年4組をこの島に捧げれば、学校には多額の援助金が入る」


軽い口調だった。


「石本真子が来てから、迷惑で仕方なかったからねぇ」


玲子の顔が歪む。

「・・・・最低・・・・」


校長先生はさらに続ける。

「安心しなさい」


「石本と入来はこの島に来ようとしたが――」


一拍。


「すでに、抹殺されている」


その言葉が、6人の心を完全に折った。


誰も、声を出せない。


その時――


シャン……


神楽鈴の音が響いた。


音の先に顔を向けると、そこには狐巫女たちの姿。


鬼、ガイド、堂崎、津田、桐谷。


さらに黒装束の集団が20人。


ゆっくりと、包囲するように近づいてくる。


逃げ場は完全に消えた。


狐巫女が桐谷に耳打ちする。


桐谷が前に出た。

「予定変更だ」

「1日おきはやめる」


静かに告げる。

「この場で、全員まとめて人柱にする」


澪が呆気にとられる。

「はぁ!?」

「ふざけんなよ!!」


怒号が飛ぶ。


校長が慌てて狐巫女に近づく。


「狐巫女様、1日おきの予定では・・・・」


次の瞬間。


ザクッ


「・・・・え?」


鬼のナイフが校長の腹に突き刺さっていた。


「お・・まえ・・・・」


そのまま崩れ落ちる。


血が地面に広がっていく。


6人の悲鳴が響く。

「きゃーーーっ!」


「校長ーーー!!」


「ひどすぎる・・・・」


「こいつら・・人じゃない・・・・」


「もう無理・・・・」


「詰んだ・・・・」


恐怖が限界を超える。


桐谷が淡々と告げる。


「では」


「その崖から落ちてもらおう」


黒装束の集団がゆっくりと迫る。


6人はその場に崩れ落ちた。


「・・・・終わった・・・・」


誰も抵抗しない・・

ーーいや、できなかった。


あと一歩で手が届く距離まで近づいてきた。


6人は涙を流しながら目を閉じ、俯いた。


その時だった。


「テッテレーーーー!!」


場違いで、間抜けな女性の声が響く。


「・・・・え?」


6人はゆっくりと顔を上げる。


黒装束の集団が左右に分かれ、道を作る。


その先から、狐巫女、鬼、ガイドが並んで歩いてくる。


手にはプラカード。


『☆ドッキリ☆』

『大成功✌️』


玲子が涙と鼻水を垂らしたまま呟く。


「・・・・へっ?」


「なに・・・・?」


「ドッ・・キリ・・・・?」


狐巫女が6人の前に立ち見下している。


そして、ゆっくりと狐の面を外した。


・・・・真子だった。


「テヘペロッ」


満面の笑みで、巫女姿のテヘペロポーズをお披露目している。


あまりにも――場違いな笑顔とポーズ・・


6人は、声も出せず、


ただ、その場に崩れ落ちた。

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