表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人生をやり直しますか? 〜YES or NO〜 【みんなの心の中が読み取れる少女は、やり直し高校生活でやりたい放題です】  作者: 相賜 奏合


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

64/87

[63]

別の日


鬼切神社の境内では、


由美は真子と向かい合っていた。


ケンケンが2人を見守っている。


「まこち」


「ん?」


由美は真剣な顔をしていた。

「私・・自分を守れるようになりたい」

「・・・・誰にも頼らずに」


真子は一瞬だけ黙る。

そして、あっさり言った。

「無理だよ」


由美の眉がピクッと動く。

「は?」


真子は首を傾げる。

「だって由美、自分のことあんまり大事にしてないでしょ」


由美は言葉に詰まる。

「・・・・そんなこと」


真子は続ける。

「結界ってね」

「守りたいものがあると強くなるの」


由美は少し戸惑う。

「じゃあ私じゃダメなの?」


真子は即答した。

「弱いね」


その言葉は容赦なかった。


由美は悔しそうに唇を噛む。

「じゃあどうすればいいの?」


真子は少しだけ笑う。

「試してみよっか」


真子はピコピコハンマーをカバンから取り出した。


次の瞬間。


空気が変わる。


真子がゆっくりと由美に向かって歩み寄る。

今までの真子に感じたことのない重い圧を感じる。

由美は反射的に身構える。


(来るっ!)


だが――

何も起きない。

結界は出ない。


「ピコンッ」


真子は由美の頭を軽く叩いた。

「ほらね」


由美は息を乱す。

「・・・・なんで?」


その時。


真子が視線を横に向ける。

「じゃあこれなら?」


次の瞬間。


ピコピコハンマーが黄色いオーラを纏いはじめる。

「これは当たると危険な奴だよ」


由美は身の危険を感じる。

見えない圧が、由美に冷や汗をかかせた。


「牽制きゅーぅ!」

真子はクルリと方向を変えて

ケンケンに向かってハンマーを投げつけた。


「え?」


ケンケンが一瞬固まる。


真子は不敵な笑みを浮かべながら由美を見る。

「ケンケン、死んじゃうよ」


由美の顔が変わる。

「やめて!!」

胸に両手を合わせてギュッと握りしめた。


その瞬間――


パキンッ


ハンマーが空中で止まる。

ケンケンの前に、透明な壁が現れ、ハンマーが刺さっていた。


静寂。


由美は息を呑む。

「・・えっ・・・・?」


真子はニヤッと笑った。

「今の、それ」


由美は自分の手を見る。

震えている。

「・・出た・・・・?」


真子は頷く。

「うん、それが結界」


由美は戸惑う。

「・・なんで・・・・?」


真子はあっさり言った。

「由美はね」

「自分より他人の方が大事だから」


由美は言葉を失う。

(・・そう・・・・なの?)


真子は空を見上げる。

「だから、自分のためだと弱い」

「でも――」


少しだけ視線を落とす。

「誰かのためだと、強い」


由美はゆっくり拳を握る。

「・・・・じゃあ」

「守るっ」


小さく呟いた。

「ちゃんと・・守れるようになりたい」


真子は軽く笑った。

「いいね」

(ゆくゆくは自分に結界貼れるようになるから、大丈夫だよ・・ゆーみ)



日も暮れてくる。

ケンケンと由美が真子と向かい合っていた。


「じゃあ、やってみよっか」

軽い口調。


だが――


空気が張り詰める。

真子が周囲から光を集めてハリセンを具現化させた。


圧が強まる。


ケンケンの体が震える。

(怖い・・・・)


それでも。

「・・・・行くでござる!!」


ケンケンも両手に集中して光を集め、

日本刀を具現化。


そして、一歩、踏み込む。


その瞬間。


「チャンバラーー、トリオっ」

真子が間合いを詰めてハリセンを振り抜く。


だが――


パキンッ


由美が結界を展開して、ケンケンを守る。


ケンケンは止まらない。


踏み込み――


刀で突く。


ブンッ


真子の服を、かすかに掠めた。


静寂。


由美の息が荒い。

ケンケンも、肩で息をしている。


真子はニヤッと笑った。

「いいねっ」


2人を見る。

「これでやっと――」


少し間を置いて。

「スタートライン」


ケンケンが息を整えながら聞く。

「これで・・戦えるでござるか・・・・?」


由美も不安そうに見る。


真子は首を横に振った。


「全然」


2人の顔が固まる。

真子は笑う。

「でも」


少しだけ真面目な顔になる。

「これで・・」

「・・死ななくなる」


その言葉だけが――

静かに残った。


春の風が、3人の間を通り抜けていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ