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人生をやり直しますか? 〜YES or NO〜 【みんなの心の中が読み取れる少女は、やり直し高校生活でやりたい放題です】  作者: 相賜 奏合


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[48]

日曜日


真子、莉英奈、入来


3人は競馬場の入口で佇んでいた。


莉英奈は不安そうな顔をしている。

「まこち・・私たち、高校生だよ・・」

「競馬やったらダメだよね」


真子は浮き足だった子供のように、キョロキョロしていた。

「えっ?あぁ・・大丈夫」


莉英奈は呆れた顔で入来を見る。

入来もやれやれという顔をしながら肩を竦めた。


しばらくすると、真子が声を上げて手を振る。

「来たっ!」

「おーーーぃ!ココ、ココだよーー!!」


1人の女性が真子の声に気付いて小走りで近づいてくる。


野元真実の母、真弓であった。


「真弓さん、呼び出してすみません」

真子はペコリとお辞儀をする。


真弓は満面の笑みである。

「いいの、いいの、どうせ、やることなかったし」

「それに、助けたい人がいるんでしょ?」

そう言って莉英奈を見た。


莉英奈は真弓と目が合いペコリとお辞儀をする。

「はじめまして、中井莉英奈です」

「入来だ」

低い声も追従する。


「あらあら、律儀にどうも」

「はじめまして、野元真弓ですぅ」


真弓は続ける。

「りえなちゃん、今回、私が代わりに買ってあげるわね、りえなちゃんのお母さんの代理としてね」


真子はドヤ顔で仁王立ちしていた。

「ねっ、大丈夫って言ったでしょ?」

「あとはズバッと当てるだけだね」


真子の楽観顔に真弓は確認する。

「まこちゃん、競馬って高額当選したら税金かかるけど知ってるわよね?」


「へっ?・・・・税金・・・・?」


その一言で、空気が少しだけ変わる。


莉英奈が「え?」と小さく声を漏らした。


真弓は続ける。


「競馬の払戻金は一時所得になるわ」


「つまり、勝った分、全部が手元に残るわけじゃない」


真子が片眉を上げる。


「ふーん?」


真弓は指で空中に線を描くように説明する。


「例えば――」


「払戻金から賭け金を引いて、そこからさらに50万円を引く」


「残った金額の半分に所得税と住民税がかかる」


莉英奈が完全に理解不能な顔。


入来は小さく頷く。


「・・・・つまり?」


真子が軽く笑う。

「いっぱい勝ったら、いっぱい持ってかれるってこと?」


「そう」


即答。


「だから・・」


真弓は真子をまっすぐ見る。


「税金分も上乗せして勝つ必要がある」


沈黙。


風が吹く。


行き交う人のざわめきが遠くに流れる。


真子はゆっくり振り返った。


「・・・・なるほどね」


「じゃあ目標額、修正だ」


口元が少しだけ吊り上がる。

「能力、節約モード解除かな」


莉英奈が慌てる。

「ちょっと待って、怖いこと言わないで」


真弓は小さく息を吐いた。

「私は止めない・・」

「でもね、まこちゃん」


少しだけ柔らかい声。

「これはギャンブルじゃない・・」


「責任を取る行動になるけど・・」


「大丈夫?」


真子の笑みが、ほんの一瞬だけ消えた。


そして、数秒黙る。


しばらくして、ニヤッと笑った。


「大丈夫だよ」


「負ける未来は・・・・選ばない」


入来が小さく笑う。

「・・・・頼もしいな」


真弓は目を細めた。


真子は踵を返して歩き出す。

「さて、んじゃ、勝負といきましょーかっ!」


4人は入口をくぐって、いざ、決戦の場へと足を進めた。

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