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今日の4限目は授業がなくなり、クラスであることを決める時間であった。
教室の空気は1人を除いて緊迫している。
担任の原田が真剣な顔をして、教卓に立ってクラス全員を見渡している。
原田が神妙に口を開き始める。
「おまえたち・・・・準備はいいか?」
原田の問いに皆は生唾を飲み込む
ゴクリという音が聞こえてきそうである。
原田の声が大声に切り替わる。
「ただいまよりーーー!」
クラス全員が身構える。
「学園祭の出し物を決めていくーーーぅ」
原田の掛け声と共にクラスが湧き上がる。
「うぉぉぉぉーーーー」
「まってましたーーーぁ」
大歓声である。
1人取り残されている真子は隣で雄叫びを上げる莉英奈に身体を寄せて小声で尋ねる。
「りーな?なんで学園祭の出し物を決めるのにこんなに盛り上がっているんだ?」
莉英奈は小声で応じる。
「あっ、まこちは学園祭初めてだね」
「ウチの学園祭は、その年で1番人気だった出し物のクラスには優秀賞と題してある物がでるのよ」
「ある物?」
真子は首を傾げる。
「ある物っていうのは、1日だけお昼ご飯を特別、出前が取れるのっ!」
「しかも、費用は学校が払ってくれるのっ」
莉英奈は小声ながら力強く語る。
「1番人気は隣町の有名高級焼肉店の『上カルビ焼肉弁当』お値段は、なんと、1人前5000円」
「ごっ5000円?」
真子は大声を上げる。
クラスの全員が真子を見る。みんなの頭の中が焼肉弁当一色な映像が真子の頭に流れ込んでくる。
「グゥ〜〜ッ」
真子のお腹が鳴る。
真子は空腹を抑えながら冷静に突っ込む。
(ちょっ、この学校正気なの?クラス30人で全員焼肉弁当選んだら15万だよ・・・・バカじゃないの?)←お前に言われたくない・・
そんなことを考えている間に、黒板には次々と出し物がリストアップされていく。
その中によくわからない出し物が書かれている。
『石本真子 占いの館』
「・・・・は?」
真子はガタッと椅子を鳴らして立ち上がり叫ぶ。
「ちょっ、ちょっ、アンタたち、人の能力を出汁に使わないでよー」
クラス全員が真子を見る目は焼肉弁当だった。
【これ一択でしょ】
【今年はいける】
【こいつが居れば・・うっしっしーー】
真子は流れ込んで来る声がウザ過ぎて能力をOFFにして反論する。
「そんなのにしたら、私1人が大変な思いをするだけじゃないのー」
クラスの誰かが声を上げる。
「焼肉弁当の為だ!人柱になってくれー」
「そうだ、そうだー」
クラス全員が敵に見える。
真子は全員の反応にイラッとして原田を見る。
原田もウンウンと頷いている姿にさらにイライラがMAXになる。
教室中が大騒ぎの中、真子は静かに目を閉じる。
そして手を上に高く上げて指を鳴らす。
パチーーーーン
澄んだその音に教室のざわつきは一瞬にして静寂に変わった。
真子は目を閉じたまま、ゆっくりと、天音風に語り出す。
「みなさん・・今・・未来が視えました。」
「占いの館では優秀賞は取れません。」
一瞬ザワつく・・・・
「つまり・・・・。」
「焼肉弁当を手に入れることはできないでしょう。」
空気が凍る・・・・
「ですが・・・・。」
「優秀賞を獲れる出し物をお教えします。」
「それは・・・・。」
ーーゴクリ
皆が固唾を飲んで次の言葉を待つ
真子はカッと目を開き両手を上げて叫ぶ
「お化け屋敷をやりまーーーーすぅ!!」
クラスは異様な騒つきを見せた。
2年4組はお化け屋敷で勝負するのであった。




