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人生をやり直しますか? 〜YES or NO〜 【みんなの心の中が読み取れる少女は、やり直し高校生活でやりたい放題です】  作者: 相賜 奏合


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35/56

[35]

シルバーウィーク明けの朝。


校庭を渡る風は少しだけ軽くなり、窓から差し込む光が教室の空気をゆるく揺らしていた。


連休明け特有の、どこか気だるいざわめき。


「あー・・学校だぁ・・」


玲子が机に突っ伏す。


「わかるー、まだ休み気分抜けてないんだけど」


香織も同調しながら椅子にだらんと寄りかかった。


そんな中。


真子だけは妙に機嫌がいい。


机に頬杖をつきながら、ニコニコしている。

「いやー、楽しかったねー、この連休はー」


その言葉に、由美の肩がぴくっと揺れた。


(・・・・楽しかったっていうか・・怖かったっていうか・・)


頭の中に、あの夜の光景が蘇る。


夜の校舎。


見えないはずの存在。


そして――


光の剣を振るうケンケン。


「・・・・」


思い出して、無意識に視線が教室の後方へ向く。


そこには。


いつものようにメガネをクイクイしながら、静かに座って雑誌を読んでいるケンケンの姿。


「・・・・」


目が合いそうになり、慌てて逸らした。


(なに意識してんの私!?)


顔が少し熱くなる。


その様子を――


真子だけが見ていた。


(あー・・始まってるねー)


心の中で小さく笑う。


そこへ。


理絵が机に身を乗り出してきた。


「ねえねえ、聞いた?連休中の噂」


「なに?」

玲子が顔を上げる。


「夜の学校、なんか出たって話」


その言葉に、由美の手がピタッと止まった。


「え、なにそれ怖いんだけど」


「誰かが見たとか言ってたよ。廊下で光が走ったとか」


教室の空気がざわっとする。


真子はボールペンをくるくる回しながら、知らん顔。


ケンケンは背筋を伸ばし、雑誌を読み続けている。


「まこち、なんか知らない?」


突然話を振られた。


「んー?」


少し考えるフリをしてから、


「さらば青春の光じゃない?」


「絶対違うわ! ってか、なにそれ!?」

ツッコミが飛ぶ。


(・・・・ありゃ? まだリリース前だったっけ・・しまった)


真子はハニカミ笑いを浮かべた。


しかし、なぜかそのズレた発言に、教室には笑いが広がっていた。


その時。


由美がちらっとケンケンを見る。


ケンケンも同時に由美を見る。


一瞬、目が合った。


「・・・・!」


二人同時に視線を逸らす。


それを見た玲子がニヤニヤして由美を見た。

「・・・・あれ?」

「なに?」

由美は気まずそうに玲子を見返す。


「なんかさぁ〜?」

ーーにやにや。


「な、なによ」

由美が警戒する。


「いやー、なんでもないけどぉ?」

ーーさらにニヤニヤ。


周囲もなんとなく察し始める。


「え、なになに?」


「ちょっと待って、何かあるの?」


空気が一気に恋愛モードへ傾き始めた。


その中心で。


真子だけが、静かに目を細めていた。


由美の視線。

逸らすケンケン。

そしてまた戻る視線。


(まだだよー)


(今はまだ、早い)


(この2人はねー・・・・)


(ほっといても、ちゃんと繋がるから)


真子は一瞬溜息をつき、わざと話題を変える。

「そういえばさー、今日の放課後ヒマなひとーー?」


「え?急に?」

一同の視線が真子に集まる。

「駅前のたこ焼き食べに行きたーい」


「おっ!いいねー」

「行こう、行こう」


「たこ焼きと言えばーー?」

「たこからーー!」


恋バナはたこ焼き談義へと移り変わる。

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