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人生をやり直しますか? 〜YES or NO〜 【みんなの心の中が読み取れる少女は、やり直し高校生活でやりたい放題です】  作者: 相賜 奏合


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33/56

[33]

野分が通っているが、まだまだ陽の熱が収まらない9月、街路樹の隙間から光が落ち、通りはどこか映画のワンシーンみたいに見えていた。


シルバーウィーク。


今年は暦が良く、西岡駅周辺はいつもより人が多く、旅行バッグを引く人、買い物袋を抱えた人、どこか浮き足立った空気が街全体に流れている。


そんな賑わいから少しだけ離れた路地裏に、古びた洋風の建物がある。


喫茶ラ・ポーズ

エスプレッソが人気のお店だ。


木製の扉が開き、控えめなベルの音が鳴った。


――カランコロン。


「ふぅー・・・・混んでるねー」


真子は店内を見渡しながら、小さく息を吐いた。


窓際の席には春の光が残り、コーヒーの香りと話し声がゆっくり混ざり合っている。


休日の街に、少しだけ特別な時間を与えてくれる。

――そして、だいたいこういう日は何かが起きる。


真子は玲子と由美の3人でエスプレッソ片手にケーキを頬張り、会話を弾ませていた。


ポロロンポロロン、ポロロンポロロン、


真子のスマホから、LIMO通話の呼び出し音がなる。

話を中断させて、誰からか画面を確認する。

通話相手は高倉健二、ケンケンからであった。


「ん?ケンケン?どうしたんだろ?」

真子は通話をONに押して話し始める。

そんな中、玲子と由美はまったく同じことを思う。

【えっ?まこち・・いつの間に高倉くんとLIMO交換してたの?】

真子はまったく気にせず話をしている。


「はいはーい、ケンケン、どうしたの?」


ケンケンは神妙な声で相談に乗ってほしいとお願いをしてくる。


「いいよー、今、喫茶ラ・ポーズに居るからおいでよ」


「えっ?高倉くん、来るの?」

由美は驚き顔で尋ねる。


通話を切った真子は何事も思わず返答する。

「ああ、すぐ来るってさ」


真子は玲子と由美の怪訝な顔を見るが、おかまないなしである。


しばらくすると、ケンケン参上。


ケンケンは真子の姿を見つけるや否や、メガネをクイクイさせて忠犬の如く歩み寄る。


「まこ殿! お待たせ仕った」

由美と玲子はクビを傾げる。

【つかまつった・・?】


「んで、ケンケン、話って何?」

真子はそう言って空いてる椅子を誘導する


相変わらずクイクイは高速である。

「まこ殿、大変なのでござります!」

「学校内に居る霊が増えておるのです」


由美のエスプレッソカップが、

カタっと音を立てた。


――あの日。


真子とケンケンが対峙していた光景が、脳裏に蘇る。


【やっぱりー! この2人見えてるー!】


由美の顔から、すっと血の気が引いた。


真子とケンケンは2人の世界に入っている。

「増えてるかー・・、なんか強そうなの居た?」

「さすが、まこ殿、我がクラスの前の廊下に強力なモノが居座っておりまする」


その話を聞いて真子は天井を見上げて額に手を当てる。

(やっぱりかー、多分私に引っ張られてるなー)


そう思いながら、修行中の天音との会話を思い出す。


ーーーーーー


天音はいつも通り、澄ました顔で真子の前に立っている・・・・


「真子、あなたは霊力もかなり強くなっています。」

「あなたの力に共鳴して、様々なモノが集まってきます。」

「その対処として、結界の張り方と、浄化方法を覚えてから帰りなさい。」


ーーーーーー


(霊力訓練のせいで、帰ってくるの時間かかったんだよね・・・・)

(あっ、そういえば、家に結界張るの忘れてた・・・・てへっ)

心の中でテヘペロポーズである。


真子はケンケンの顔を見る。

「そしたら、幽霊退治といきましょうかー」

「幽霊さんは、ケンケンが退治してねー」


ケンケンはメガネの縁を持ったまま、一瞬固まる。

「まこ殿、我には浄化させる力がないと・・・・」

「まぁ、大丈夫、なんとかなるしょ」

「な、、なんとか・・・・」


ケンケンのクイクイがスロー状態になっているのを放置して、真子は玲子と由美を見る。


「れいこ、ゆみ、一瞬にオバケ退治に行こー」

真子の遊園地ノリに2人は青ざめる。


【この子・・やっぱ、ぶっ飛んでるわ・・】

【まぁ、それが面白いんだけど・・】

真子は動じずニコニコ顔


玲子が先に答える。

「わたし・・怖いの苦手だからパス」


由美が玲子の顔をハッと見る。

【あー、先に言われたー】

【私も行かないって言わないとー】


考えた末、由美は口を開こうとする。


「あのー、、、わたしもー」


「あっ、ゆみは参加ね」

「んじゃ夜に校門前に集合でー」


【えーっ、勝手に参加って決められたー・・・・】


かくして、3人のオバケ退治の始まりである。

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