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いよいよ、石本真子の高校生活が始まります。
破茶滅茶な真子のやり直し高校人生が当分続きます。
お楽しみくださいね。
残暑がしつこく残る9月の朝。
空には鰯雲。
季節はもう秋なのに、私はまだ夏のテンションだった。
その勢いのまま、私の高校生活がスタートする。
・・・・長かった。
約2年半。
学生ではなく、ほぼ修行僧扱いで、あのクソババアに徹底的に扱かれ続けた日々。
青春?なにそれ美味しいの?
普通の学生生活なんて、とっくに崩れ落ちていた。
だがっ、しかしっ。
私は復活したのだ。
そう!復活のMなのだっ!!
あの地獄から、生還した!
そして今度こそ。
かつての同級生たちとスゥイーティーな学校生活を謳歌するのだーっ!
・・・・という高らかな決意を胸に、私は意気揚々と校門をくぐり抜けた。
風が気持ちいい。
空は澄んでいる。
完璧なスタートだ。
――の、はずだった。
「・・・・えっ?」
「・・・・なに?」
気がつけば、私は理解が追いつかない教室に座っていた・・・・
黒板に書かれた文字。
《1年2組》
・・・・。
「・・・・はい??」
周囲の視線が痛い。
【あの人、中学の先輩じゃなかった?】
【留年したの?】
【なんで9月から?】
周りの心の疑問が、まるでナイフのように飛んでくる。
歓迎ムード、ゼロ。
・・・・いや待て。
ちょっと、待て。
私、高校2年生だよ?
17歳だよ?
・・セブンティーンだよ?
なんで1年生の教室にいるの?
どゆこと?
考えれば考えるほど、怒りが込み上げてくる。
私の場所はここじゃなーーーい!!
ホームルーム終了と同時に、私は教室を飛び出した。
廊下を歩く担任――井上先生の背中をロックオン。
ダッシュ。
「先生っ!」
振り返る井上。
「はい?」
「私、2年生ですよ!?なんで1年生なんですか!?」
井上は少しだけ困った顔をした。
「え?お寺の住職さんから、1年生から学ばせて下さいって連絡があったので、その通りに・・・・」
・・・・。
・・・・・・・・。
(あのクッソババアァァァーー!!)
真子は井上に鬼の顔を見せないよう俯きながら、
心の中で絶叫。
(余計なことしやがって)
(電話の話し方が想像つくわ!ウザッ)
(なんとかこの状況を打破せねばっ)
鬼から甘えた顔に変換して顔を上げ、
目を潤ませながら井上を見る。
声は可愛く・・
「私、2年生からでも大丈夫です!」
「なんなら学力テストでもなんでも受けますから!」
そのままの顔と目で、前のめりになり詰め寄る。
担任は真子の可愛さにドキッとする。
(もうひと押しだ)
深く、地に潜るほどのお辞儀をする。
「お願いします!!」
今にも土下座しそうな勢いに、井上がたじろぐ。
「わ、わかった・・・・じゃあ、一度テストしてみよう」
よっしゃ、キターーーっ
勝負だっ。
――翌日。
私は見事に勝利を掴み取った。
そして今。
私は。
2年4組の教室に座っている。
ムフフッ・・・・勝った。
完全勝利である。
まぁ、なんやかんやあったが。
無事に高校生活のスタートだ。
机に頬杖をつきながら、小さく笑う。
さて。
ここからが本番だ。




