[19]
今日は街に降りて、人混みの中での訓練だ。
真実の足取りは、もう重くない。
最初は片道5時間掛かっていたが、今なら往復4時間で歩けるまでになっていた。
山道を2人で降る。
「まこ、ちょっといいか?」
歩きながら真実が尋ねてくる。
「ん?どうしたの?」
「最近、まこの心の声が聞こえない時があるんだが、俺の能力がおかしくなったのか?」
真子は心の声を遮断できていることを確信してニヤリとする。
「まことの能力がおかしくなったわけじゃない」
「わたしがすごいのであーる」
真子は歩きながらドヤ顔、エッヘンポーズをとる。
「・・・・そうなんだ」
「凄いよな、まこも、天音さんも・・・・」
真実は更に質問を続ける。
「天音さんもまこと同じで未来が見えるのか?」
真子は自分が褒められていたのに天音の話題にすり替わり露骨に嫌な顔をする。
「あのババアに未来は見えない、未来を見る力は私だけの能力なのだ」
再びドヤ顔が蘇る。
「じゃあ、何が見えてるんだ?」
「・・・・なにか、凄い見透かされている気がする」
真実が憧れの眼差しをしているのを真子は不機嫌顔を見せる。
「あー、私もハッキリとはわかんない、感覚的に理解してるけど、言葉で説明したくない」
そう言って、口元が僅かに歪み、歩くスピードが速くなる。
真実は真子が不機嫌になったのを察して、それ以上の質問を避けて真子のスピードに付いて歩く。
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2人は山の麓まで降りてくる。念話の訓練をしながらでも、足取りはしっかりしていた。
【まこと、私が居なくなったら街中の訓練は1人でやることになるから、しっかり覚えておくんだよ】
【そうなんだ・・・・そしたら、サボり放題じゃん】
【まこと・・・・それは無理だよ・・】
【あのクソババアにすべてバレるよ・・・・】
【な・・なん・・だと・・・・】
【そして、サボって帰ると、寺に入れない・・山中で野宿だよ・・】
【・・・・まこ・・・・】
【おまえ・・やったんだな・・】
「てへっ」
真子は真実にテヘペロポーズをして誤魔化した。
【まこ・・・・お前はやっぱり勇者だよ】
このやり取りさえも天音に筒抜けといい事を知らずに・・・・




