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人生をやり直しますか? 〜YES or NO〜 【みんなの心の中が読み取れる少女は、やり直し高校生活でやりたい放題です】  作者: 相賜 奏合


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[17]

陽も落ち、辺りは暗い中で、天音の部屋は煌々と灯りを放っている。

そんな中で、天音と真子は静かに対峙していた。


「真子・・あなたにお願いがあります。」


真子は天音の言葉に寒気が走る。

(ヤバい、ヤバい、ヤバい・・・・)

(ババアのお願い事は、今までロクなことがないんだよ・・・・)


「あなたの力に見合ったお願いしか、してきていませんが・・?」


真子はグッと唇を噛み締める。

真子は天音の心の声が聞こえない。

いや、天音が心の声を遮断しているのである。

意図的にーー


なので真子は天音に対していつも劣勢で、歯痒いのであった。


そんな真子に天音は話を続ける。

「彼の修行ですが、・・・・あなたに任せます、真子。」


真子は予想だにしない内容に理解が追いつかなかった。

「はぁ?・・えっ?・・なんで?」


「少しでも悪に依らせないためです。」


(悪に寄らせないため?・・私が必要なの?)

真子の目がわずかに揺れた。


少しして、真子が言う。


「・・・・無理だよ・・・・」


・・・・


「わたし、9月から西岡高校に行くし・・」


「・・・・そうですね。」


天音の言葉にイラつき、口調が強くなる。


「わかってるなら、なんでそんなこと言うのよ」


「・・無理だよ・・・・」


ーー沈黙

ーー静かな声が透き通っていく


「・・・・入学までで構いません。」


ーー沈黙


何も言わず、ただ、ずっと真子の顔を見つめる天音。


真子はひとつ深い溜息をつく。


そして、投げやりの口調が飛ぶ


「あー、もうっ、・・分かった」

「入学までねっ」


次の瞬間、天音の口元がわずかに緩んだように見えた。


「・・・・何?」


「・・何でもありません。」


真子は話しが終わったと理解して立ち上がり、襖に向かって歩みだした時、身体の自由を奪われた。


「真子、最後に1つ。」

天音の言葉で身体が元に戻り、真子は天音に身体を向ける。


「彼が将来、悪になった際、止められるのは、あなたです。」


真子の眉がわずかに動く。

「・・・・はぁ?」


「あなたの未来を見る力は、彼を救う可能性があります。」


静かな断定。


「あなたが視た未来が、彼の分岐点になるでしょう。」


感情はない。


ただ事実のように置かれる言葉。


「・・・・別に、そんな大層なもんじゃないし」


軽口を叩きながら、視線を逸らす。


(・・・・分かってるよ・・)

内心では否定していない。


天音は続ける。


「あなたが“先”を知る意味は、そこにあります。」


静かな声。


逃げ場を与えない。


「・・・・」


「そうなるように、あなたを育てましたから。」


その言葉で、真子の呼吸が一瞬止まった。

反論は出てこない。

天音はそれ以上何も言わない。


ただ、見ている。


「へいへい、師匠はなんでもお見通しなんですね」

真子は軽口を投げ捨てながら、襖を開ける。

夏なのに冷たい廊下へと足を運んでいった。


真子の足音は決心をした音を奏でていた。


足音が遠ざかる。

天音は、部屋の中で、しばらく目を閉じていた。

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