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街角聖女 木彫りの小さな聖女像のお話  作者: 葉月秋子


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47/50

その47

その47



 でも、相手はお偉い騎士様たちです。


 団長が一歩前に出て、大きな剣に手をかけ、ぱちん、と鍔鳴りさせると、

 みんな顔色を変えてざっ、と下がりました。


「仕事を急げ」


 周りに補助材があてがわれ、わたしの上と下の柱にのこぎりが入ります。



「いいか、傷をつけるなよ、それっ」


 わたしは壁から引き抜かれてしまいました。

 重みのかかった補助材がぎしっと軋み、ガラガラと壁の穴が広がります。

 わあ、大丈夫でしょうか。


 その時。


「フギャッ!」

 と言う叫びと共に、わたしの台座の下から一匹の猫が飛び出しました。


 去年の秋生まれの、ほっそりした若い虎猫です。

 逃げ遅れて、わたしの下に潜り込んで隠れていたのです。


 パニックをおこして真っすぐに飛び出した猫は、正面の騎士団長にぶつかり、その身体を駆け上りました。


「うわっ!」



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