その46
その46
お話に出てくるようなぴかぴかの鎧に真っ白いマントの神殿の騎士たちは
なんだかえらそうにわたしを見おろします。
「これか。奇跡の聖女像だとけっこうな噂だったが」
「なんだ、こんな街角の、雨ざらしの像だったのか」
怒りに満ちた町の人々が見守る中で。
騎士たちはわたしに挨拶もせず、連れて来た下働きたちがおそなえの花を蹴散らし、差し掛け屋根を壊し始めました。
「聖女様の柱をはずすのですか?
この柱は後ろの家の壁の支えです。
なくなったら家が崩れてしまいますよ」
いきなりの狼藉に驚いて、人が住んでいるんですよ、と
大家のおばあさんが、騎士たちに訴えます。
「家の保証は、この町の管轄だ、我等は知らぬ。
中に誰かいるなら、早急に立ち退かせよ」
騎士の団長が冷たく言い放ちます。
「壁を壊せ」
下働きがいきなり大きな木槌を振り上げます。
どしん、と大きな音がして、壁の漆喰がばらばらと剥がれ、大穴が開きました。
猫たちが驚いて逃げ散ります。
人々から非難の声があがります。
「なんて乱暴な!」
「俺たちの聖女様に手を出すな!」
ざわり、と人々の間に不穏な空気が広がります。
もともと、職人や冒険者者たち、荒事に馴れた人たちが多いのです。
数人の騎士団と、大勢の町の人たちが、にらみ合いました。




