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その45
その45
いきなり、わたしは王都の大神殿に差し出されることに決まってしまいました。
でも、わたし、おとうさんと暮らした、この町をはなれたくありません。
それに、わたしは、このおうちの柱に彫られているんですよ。
柱がなくなったら、おうちが壊れてしまいますよ。
「おれっちの聖女様を取り上げる気か?」
冒険者たちが息巻きます。
「聖女様がいなくなっちゃうの?」
ミリィや子供たちが泣き声をあげます。
「神殿とご領主様の決定じゃ。さからえるわけが無かろう」
おばあさんが悲しそうにため息をつきます。
テオはうつむいて、唇を結んだままです。
話を聞きつけて、下町の人々が集まってきました。
「聖女様を、連れて行くですって!」
「この下町を、お守りくださっているのに!」
「町長、なんとかならんのか?」
「馬鹿を言うな。ご領主様の命令だぞ。
平民なんぞが逆らったら、即首が飛んじまうわ」
ざわざわ、ざわざわ。
みんなが嘆き、怒りますが、どうすることも出来ません。
・・・数日後。
びかびかの銀の鎧に、白いマントの神殿騎士たちが
わたしをひきとりにやってきました。




