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街角聖女 木彫りの小さな聖女像のお話  作者: 葉月秋子


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その44

その44



 春の種まきが終わり、みなほっと一息つきました。


 わたしの周りには春の花々が飾られ、とても華やかです。

 新しい子猫たちも生まれ、子供たちと転げまわって遊んでいます。


 いつものように、おばあさんとテオがお掃除をしていると

 山の手の方から、立派な服を着た人があわててやってきました。


「おい、大変だ。

 ご領主様が、トラウトス男爵様が、この像を見に来られるそうだ!」


 あたりを片付けろ、周りの家が汚い、道を掃け、貧民を遠ざけろと、大騒ぎです。




 代官様の案内で、大きな立派な馬に乗った貴族様が、たくさんの護衛騎士をつれてやってきました。


「これが町を結界で包んでゴブリンから守ったという、うわさの聖女像か」

 なんだ、随分小さくて薄汚いなと、

 馬に乗ったまま、わたしを見おろして、貴族様ががっかりしたように言います。


 お付きの騎士が前に出て、大きな声で宣言します。


「皆の者、光栄に思うがよい。

 このたびこの像の話が王都の大神殿まで届き、

『奇跡の聖女像』であると認定が下され、

 もったいなくも王都の大神殿に献上されることが決定した」




 え?

 なんですか、それ。

 突然に。



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