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街角聖女 木彫りの小さな聖女像のお話  作者: 葉月秋子


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41/50

その41

その41



「聖女様のおかげです」

「ありがとうございました」

「ありがとうございました」


 皆が広場に集まって、わたしをほめたたえます。


「さすが、おれっちの聖女様だ」

「どうだ、かわいいお姿だろう」


 冒険者の人たちが、自分の事のように自慢してくれます。


 うん、ちょっと、恥ずかしいです。



 おばあさんとエリアさん、近所のおかみさんたちが集まって、避難して来た人たちに白湯を配ります。

「ああ、ここはあったかいね」

 わたしのマントの下に入って、皆はほっと一息つきました。


 外にはゴブリンがいっぱいで、遠くから嫌な声が聞こえてきますが


 わたしの力は今、シトリンの町全体を包み込んでいます。


 嫌なものも、怖いものも、入っては来られません。


 

 集まってくれた小さなたくさんの力のおかげで、町の中の様子が、手に取るようにわかります。


 背中を向けていて見えなかった山の手のきれいなお家も、警備兵が並んでいる大きな表門も。


 うれしくなって、私はあちこちを見て回ります。


 馬屋の框の木彫りの猫が、見上げて片目をつぶってくれたような気がしました。




 二日後、ダリアの町から大規模魔法を使える冒険者たちが駆けつけて、ゴブリンの掃討戦がはじまりました。


 



 


 

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