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街角聖女 木彫りの小さな聖女像のお話  作者: 葉月秋子


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37/50

その37

その37



 まだ外に残っていたパーティーが、ゴブリンの群れに追いかけられて、ボロボロになって帰ってきました。

 脱落者はいませんでしたが、けがをした人が多いです。


 門と櫓の上から矢が射かけられ、援護の人たちが飛び出していきます。

 全員が収納され、裏門がぴたりと閉ざされ、大きな閂がかけられました。


 門の外で、ゴブリンがギイギイと叫んで体当たりしています。


 その数がどんどん増えていきます。



「心配するな!

 ゴブリンなんぞにこの門は破れん!

 ダリアから援軍が来るまで、このまま持ちこたえるんだ!」



 エリアさんが裏門の前から、橋をわたってこちらへ戻ってきました。


 わたしの前にひざまずき、祈ります。


 わたしはマントを拡げて、エリアさんを包みます。



『大丈夫、大丈夫、テオは戻って来るわ』


 


 ダリアまでは馬車で三日の距離です。

 伝書鳥の知らせは今日中に届くでしょう。

 長官が許可を出し、ギルドが人を集め、出発できるのは、早くても明日。

 広範囲の攻撃魔法が出来る魔法使いが、どれだけ来てくれるでしょうか。


 シトリンの町を守る高い壁に、途切れる所はありません。

 日が暮れかかり、壁の上ではたくさんの松明がともり、下を警戒しています。

 ゴブリンは壁をよじ登ろうとしますが、高すぎて歯が立たず、壁に沿って、表門のほうに回っていきます。


 このままでは、シトリンの町は、ゴブリンの群れに取り囲まれてしまいます。

  

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