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街角聖女 木彫りの小さな聖女像のお話  作者: 葉月秋子


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34/50

その34

その34


 

 誰かが血相を変えて冒険者ギルドに飛び込んできました。


「湧きだーーーっ!!」


「西のゴブリンの洞窟が溢れたっ!」


 カンカンカンカンカンカンカンカン


 非常事態を知らせる鐘がシトリンの町に鳴り響きます。



「D級以上の冒険者パーティーはギルド前に集合!

 外に出ているパーティー数を確認!」


 ギルドマスターの大声が響きます。


「怖気るな!たかがゴブリンだ!

 侮りさえしなければ、必ず勝てる相手だ!」


 一匹ずつなら、大人一人でも倒せる魔物です。


 でも「湧き」は無数のゴブリンが、数に任せて押し寄せて来るのです。


 周辺の小さな村には脅威です。


 高い塀に囲まれた町でも、中に入られたら大変なことになります。



 町の裏門へ、警備兵の一団が走っていきます。

 山の手の鐘も鳴り始めました。

 伝令鳥が何羽も、ダリアのほうへ飛んでいきます。



 あっ、テオ!


 テオたち三人の子供たちが、まだ採取から戻っていません!

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