↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
街角聖女 木彫りの小さな聖女像のお話  作者: 葉月秋子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
33/50

その33

その33



 ニャウッ!

 ニャーッ!


 誰かが猫に石を投げました。

 猫たちはあわてて集まって、わたしの陰に逃げ込みます。


『うちの子をいじめるのはだれっ!』


 追いかけて来た冒険者風の男をにらみつけ・・・ることは出来ないので、マントの端でパン、とひっぱたきます。


 くらっとした男はびっくりして膝をつき、それでも猫たちを狙おうとします。


「お前!何をやってるんだ!」


 気付いたテオが走ってきました。


「へっ、野良猫の一匹ぐらいいいじゃねぇか」


「いいものか!その猫たちは聖女様のものだ!」


「うるせぇガキだな、こちとら腹が減ってんだ!

 ゴブリン狩りでへましちまって、まだ傷が治らねぇ。

 猫鍋でも喰って力をつけなけりゃ・・・いてっ!」


 男が投げた石をテオが投げ返します。


「馬鹿野郎!

 冒険者なら外で一角うさぎでも大爪モグラでも狩ってこい!

 聖女様の猫に手を出すな!」


「このクソガキっ!」


 街中で武器を抜くことはご法度ですが、テオをまだ子供と見て、男は居丈高にこぶしを振り上げます。



「いいじゃねぇか、ボウズ。やらせとけよ」

「この猫たちを狩れるもんならなぁ」


 将棋を指していた年寄りたちから、のんびりした声が上がりました。


「よそから来た流れ者かい、この街のしきたりを知らんのは」

「ゴブリンなんぞにやられる初心者か」

「その小さな聖女様は、ここの冒険者たちのお守りじゃ」

「御利益なしで狩りに出て、どんな難儀なめにあうか、試してみても面白かろうよ」



 聖女様の猫を喰ったら、どんな災難にあうものか。

 やれやれ、やってみろ、と囃し立てられ、男はそそくさと逃げていきました。

 冒険者たちは、けっこう縁起をかつぐのです。



 みんな、ありがとう、まもってくれて。



 でも、最近ゴブリンにやられて怪我をする人が多くなりました。

 傷が悪くならないように、はやく治るように、祝福を飛ばすことが増えています。


 なんだか、この頃、心配なのです。


 






 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。