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街角聖女 木彫りの小さな聖女像のお話  作者: 葉月秋子


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その22

その22


 

 テオ、という子供を、おばあさんが家に連れ帰った、その日の、午後の事です。


 ラウスさんがあわててやって来ました。


「商家の旦那の、意識が戻った!」


 ひどい火傷で意識の無かった旦那さんが、突然目を覚まし、

「弟を捕まえてくれ!」

 と、怒鳴ったのだそうです。


 大騒ぎになりました。



 テオのお母さんが言った通り、あの晩、旦那さんの所には来客があったのです。

 何年も前に家を出て、行方知れずだった弟さんでした。


 お金に困ってこっそりと、兄の所に無心に来たのです。


「だが喧嘩になって、兄を殴り倒して、金目の物を奪って、火をつけて逃げたんだ」



 本当の放火犯人として、手配され、役人が行方を追っています。


「エリアは無実だ!

 裁判のやり直しだ!

 すぐに釈放されるぞ!」


 ラウスさんが喜ぶテオを抱き上げて、宙に放り上げます。


 二人とも、すごくうれしそうです。



 おばあさんも大喜び・・・


 でも、ちょっと悲しそうです。



 ・・・そう、知り合いが一人、亡くなったのでした。


 


 

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