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その19
その19
次の朝。
「聖女様、おはようさん」
やって来たおばあさんは、台座の陰に声をかけます。
「そこにいるのはわかっとる、顔を見せな」
子供がそっ、と顔をのぞかせます。
おばあさんが後ろを向くと、冒険者でしょうか、男のひとが近づいてきました。
「お前がエリアの子か?」
子供はびくりとしましたが、小さくうなずきます。
「ダリア行きの馬車は今朝出発したぞ。
お前を探していた役人を乗せてな。
もう、逃げなくてもいい」
男の人は声をひそめて言います。
「冒険者ギルドに捜索願いが出されていたら面倒だったが、やつら、依頼料を惜しんで手を抜いた。
孤児院には行方不明と報告して、そのまま終わるだろう。
罪人の子供一人に、そうそう手間はかけられないからな」
「ちがう!母さんは、放火なんかしない!」
「ばか!声が大きい!」




