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街角聖女 木彫りの小さな聖女像のお話  作者: 葉月秋子


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19/50

その19

その19


 次の朝。


「聖女様、おはようさん」


 やって来たおばあさんは、台座の陰に声をかけます。


「そこにいるのはわかっとる、顔を見せな」



 子供がそっ、と顔をのぞかせます。



 おばあさんが後ろを向くと、冒険者でしょうか、男のひとが近づいてきました。


「お前がエリアの子か?」


 子供はびくりとしましたが、小さくうなずきます。


 

「ダリア行きの馬車は今朝出発したぞ。

 お前を探していた役人を乗せてな。

 もう、逃げなくてもいい」


 男の人は声をひそめて言います。


「冒険者ギルドに捜索願いが出されていたら面倒だったが、やつら、依頼料を惜しんで手を抜いた。

 孤児院には行方不明と報告して、そのまま終わるだろう。

 罪人の子供一人に、そうそう手間はかけられないからな」


「ちがう!母さんは、放火なんかしない!」


「ばか!声が大きい!」

 


 

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