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街角聖女 木彫りの小さな聖女像のお話  作者: 葉月秋子


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その18

その18



 お粥を食べ終わると、子供はさっと逃げていきました。



 おばあさんは知らぬふりでお掃除を続けます。

 雨もあがって、冒険者の人たちがあいさつをして出ていきます。

 いつもと同じ一日が始まります。



 子供を探しているのか、見慣れぬ人が歩き回ったり、何か尋ねたりしていますが、成果はないようです。



 日が暮れる頃、子供が姿を見せました。


 あれ?

 

 今日のおそなえは、林檎とかふかし芋とかが多いです。


 わたしにぺこりと頭を下げて、子供はお供えを持って陰で食べ始めます。



 にゃー・・・


 猫たちも戻ってきました。



 子供にすりすりとご挨拶をして、それぞれの寝場所に落ち着きます。

 世話好きの母猫が、子猫の身づくろいをしてやります。


 見つめる子供の眼に、じわっと涙が浮かびます。


「・・・・・・かあさん・・・かあさん!」



 ・・・・・・


 わたしには頭を撫でてあげる事も。抱きしめてあげる事も出来ません。


 安全に、あたたかくして、悪いものが入らないようにして。



『もう泣かないで。おやすみなさい』






 

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