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その15
その15
「おはよう、聖女さま」
朝早く、おばあさんが来て、花に水をやってくれます。
『おはよう、おばあさん』
もう秋も深まって、少なくなった花のお世話をしてくれるのは、おとうさんの知り合いだったおばあさんの、娘に当たる人です。
お供え台を綺麗にして、お皿にミルクを入れてくれるので、はやくミルクがほしいと、猫たちが足元にすり寄ってきます。
「この間の火事はひどかったのう」
よっこらしょっ、と腰をのばしたおばあさんがつぶやきます。
「商家で女中をしとったハンスのとこの娘が、あれで死におったよ。
ここの広場でよく遊んどった、かわいい子じゃった。
職人の娘が、良い働き口をみつけたと、喜んどったのにのう」
迷わず天に召されますように、とおばあさんはわたしに手を合わせます。
おばあさんが帰る頃には、冒険者ギルドが開き、朝一番に森へ出かける冒険者たちが集まってきます。
あれ? なんだかバタバタと・・・
数人の大人が走ってきます。
町を守る兵士のひとも混じっています。
みんなが追いかけているのは・・・
・・・子供?




