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その11
その11
職人街からまたひとつお店が消えました。
「ここらもずいぶんさびれちまった」
運河が出来て小麦を運ぶ道筋から外れてしまったので
この町を通る人も減り、お仕事がなくなってしまったのです。
秋のお祭りもなんだか活気がありません。
冒険者ギルドだけは相変わらずにぎやかです。
人が減り、土地が荒れると、魔物が増えて、近くの村が襲われたりするので
お仕事をなくした人も冒険者になれば、なんとか日銭を稼ぐことができるのです。
いのちがけの危ないお仕事です。
『いってらっしゃい、きをつけて』
『おかえりなさい、お疲れさま』
わたしは全員に、祝福をとばして無事を願います。
毎晩、橋のたもとの魔道ランプに照らされて、女の人が立っているのが見えます。
ショールを固く巻き付けて、あんまり顔が見えません。
そろそろ風も冷たくなって来たのに、寒くないのかな。




