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街角聖女 木彫りの小さな聖女像のお話  作者: 葉月秋子


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10/50

その10

すみません、前回投稿予定日の設定を間違えました。

その10



 季節は過ぎて行きました。


 おとうさんを知っているお年寄りもすくなくなって


「ジンゴロの嬢ちゃん」とわたしを呼ぶ人もなくなりました。


「おはよう聖女様」


「ただいま聖女様」


 でも、みんなが挨拶してくれるので、わたしは寂しくありません。




 冒険者の人たちはおしごとの前に、少し遠回りしてわたしの前を通るようになりました。


「なに、ちょっとした験担ぎさ」


 ちゃんとお供えをして祈ってくれる人、


 手を振る人、声をかける人、かっこつけてうなずくだけの人。


 あんまり力はないけれど、少しでもみんなの助けになるなら


 狩の成功と、安全を。


『行ってらっしゃい、気を付けて』


 わたしはみんなに祝福を飛ばします。




 虎縞の猫はもういませんが


 よく似た子孫たちがふえています。


 探検好きな子猫たちは、どこへでも首を突っ込み、なにかあるとわたしの後ろににげこみます。


 蚤にたかられないように、おなかをこわさないように


 青い衣をすこしひろげて、わたしは子猫たちをつつみます。


 





 

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