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双子でヤンデレな悪霊と共に  作者: 善良なる悪魔
第1章・バタンダ大森林
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後始末の後。

男は部屋で一人、頭を抱え思わず溜息を吐いた。

その男の名はカリバンジャル・ドム・フランディル・カルバッハ。

辺境であり魔境であるバタンダ大森林に隣接したバタンダ領の領主である。


溜息を吐くのも無理は無いだろう。

今日1日で色々な事が起こったのだ。


朝にクリバラ教からバタンダ大森林に魔王が現れたと通信で告げられた。

その為にバタンダ大森林の異変の調査として派遣した精鋭の騎士団『バタンダ領騎士団』は壊滅。


騎士団全員、魔力が枯渇しており明日までは目を覚まさない。

さらに言えば装備していた鎧やカブトなどの防具、武器や魔道具に至るまで全てがボロボロになっていた。

その上で身体中に痣や打撲そして骨折。

痣や打撲は兎も角、骨折は完治するのに半年は掛かるだろうと判断された。

幸いなのは骨折している者が一部だけであるという事であろう。


昼に謎の少年と女が騎士団を救ったと連れて来られたがその少年も厄介な存在だったからだ。

あの大森林にいた目的も相手が幼い為か説明が要領を得ない。

唯一分かった神に会ったという言葉が本当であれば使徒という神に祝福された存在である。


まず、クリバラ教が黙っていないだろう。

少年の存在を嗅ぎ付けばすぐに審判を行い真偽を確かめるだろう。

本物であれば教会に少年の身柄を渡せと騒ぎ出す。

渡せば何をされるか………

偽物であれば神の名を騙った罪人だと責め少年を殺せと騒ぐだろう。

どちらにしろ、少年に危害が及ぶ。


さらに少年と一緒に居た恐ろしい女。

男は女を思い出し冷汗を流す。

あれは危険だ。

そう一目見ただけでそう断言できる。

昔に見たドラゴンよりも恐ろしいと直感で感じた。


そして二人に身近に置き、管理し易くしようと考えた。

厄介な存在であっても手の届く範囲なら何とか出来るだろうと考えたのだ。


その後、侍女長に二人を客室に案内させ軟禁した。

その後、侍女長から聞いた話に驚いた。


あの女は空間魔法が使えるらしい。

クモルの実を何処からともなく取り出し少年に与えたという。


取った後、直ぐに色が変わるクモルの実が色の変わっていなかったらしい。

形状はかなり、変わっていたらしいが。


しかし、空間魔法の使い手だ。

それはどの分野も喉から手が出る程欲しがる魔法だ。

しかし、使える人材は限りなく少ない。

男が知っているだけでも手で数えられる程しかいないのだ。

また、空間魔法は大量の魔力を使用し高い技術が必要な魔法であると言われている。

つまり、女は大量の魔力と高い魔力技術を備えているのだ。


それだけでも女が類稀なる魔法の才能を保有している証拠となる。

だが、領主である男は女を欲しいとは思わなかったが。

利益よりも危険が大きいと感じたのだ。


しかしながら、少年は館から抜け出した。

その際に館中で不思議な事が起き一悶着あったが些細な事である。


そして、スタンピードである。

ここ最近、少なくとも男が領主を引き継いでからは起こった事の無い自体が起こったのだ。

それも警報は最大レベルだった。

それはドラゴンが襲来するような事態の時に鳴る警報だったからだ。


住民の避難の受け入れ、周囲の領や国王への連絡、防衛の準備など様々な事を急遽しなければならない。


しかし、防衛の要となる騎士団は機能せず、周囲や国王への連絡はある理由で出来なかった。

しかもその数は優に万を超える魔物の軍勢との報告。


絶望に染まりつつある思考でこの状況を切り抜ける方法を考えようとしていた矢先で起こった。

窓から門の方を見ていた男はそれを目撃した。

町から黒い何かが生え、空を覆い尽くさんばかりに広がり門の方へ、魔物の軍勢の方に伸びて行ったのを。


そして黒い何かが消えて間も無く魔物の軍勢が消えたと報せが来た。


男は黒い何かが魔物を消したのだと予想した。

ならその黒い何かはなんだ?

誰がやった?


ふと、あの謎の少年と女の姿が脳裏に掠めた。

もしや、あの二人がやったのか?

どうやって?

そんな疑問が頭の中で渦巻く。

そしてその後は男は領主としてスタンピードの後処理に追われた。


避難して来た住民の中からあの謎の少年と女を見つけ保護したのは偶然だった。

何故、館から出たのか聞くと少年は退屈だったと涙目で語った。

どうやら、警報が怖かったらしい。


その後、一人で眠れないと泣きそうになりながら言うから侍女を同行させ寝かしつかせた。

その姿から本当は只の幼い少年でやはり使徒ではないのではと男は思った。

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