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双子でヤンデレな悪霊と共に  作者: 善良なる悪魔
第1章・バタンダ大森林
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空が落ちた町。

森から絶望という言葉を体現したかの様な魔物の軍勢。

その軍勢は大きな街でも攻め落とせる程の膨大な数が居る。

この町を蹂躙するには充分過ぎる量だ。

はっきり言ってこの防壁さえもあいつらを抑える性能は無いだろう。

あと軍勢が壁に到達すれば容易く………とまでは言わないがそう長い時間、建ってないだろう。


背後にはまだ逃げきれていない住民達。

例え、避難所に逃げ込めたとしてもこれだけの魔物の数だ。

直ぐに避難所にも辿り着いて住民を襲い始めるだろう。

さらに脚の速さは魔物に利がある。

はっきり言って何処に逃げたって結果は変わらないだろう。

襲われて喰われて死ぬ。


そして騎士団や冒険者達の援軍の望みが薄い。

唯一居る騎士団は全員、意識不明、装備はボロボロ。

戦闘能力は皆無だ。

もしや、あの軍勢に襲われた所をあの少年に助けられたのだろうか。

………あの軍勢に出会えばあの少年も死ぬだろう。


冒険者達は確かに強い奴は居る。

だが、それもあの軍勢を見てしまえばアンデットに毒だ。

無意味にも程がある。

あのギルドマスターでさえ、10分の1を減らせるかどうかだろうしな。


抵抗しても体力、魔力が尽きて囲まれてお終いだ。


ん?

なんだ?

いきなり暗くなったぞ。

まだ、完全に夜更けになるにはまだ…速……い!?


「おい、ローメン。

上、見てみろよ」


「はぁ〜?

こんな大変な時に何言ってやがるっ!」


「いや、俺もこんな時に上を見ろだなんて、どうかと思うけどよ。

上からもヤバイのが来てるぞ」


「は?

………なんじゃありゃーーーっ!?」


そう上には何かが空を覆っていた。

普段ならば段々太陽の沈むオレンジ色の空から星空が見え始める青い空へと変わる風景が見える筈なのだ。


しかし、今は黒一色。

まるで上質な漆黒のインクを空に零したかのように暗闇しか無いのだ。

色が一色のせいか空が落ちてくるように感じてしまう。


いや、空が落ちて来た。


「おい!

なんだよ、あれ!」


「俺に聞くな!

知るかよ、あんなの!」


「あれって魔法か何か?」


空から一本の真黒の何かが凄い速さで降ってきたのだ。

そしてその何かは魔物の身体を貫いた。

しかし、何かの先は地面には付かなかったのだろうか。

空から落ちてきたにしては音がしなかったからだ。

遠くから見ても分かる程の致命傷。


それを皮切りに黒に染まった空が落ちて来たと勘違いしてしまうほど何かが一斉に降ってきた。


空を黒く染めていたのはその何かだったのだ。

瞬く間に魔物の軍勢はその黒い何かに遮られ見えなくなった。


皆がその光景に呆気にとられたのだろう。

さっきまで怒鳴り声一つ聞こえなくなった。

いや、何処からか縋るような、神に祈る言葉が聞こえる。


黒い何かが空から落ちて来てどのくらい時間が経ったのだろうか。


その黒い何かがまた凄い勢いで空に昇っていった。

そこには魔物の姿は無かった。

あるのは魔物に踏まれて無残な姿になった草原しかなかった。


消えちまったのか。

あの魔物の軍勢が?

何処に?


「おい、助けに来たぞ!

魔物は何処だ!」

「町を守るぞ!」

「死んでたまるか!」


冒険者らしき奴らが騒ぎながらゾロゾロとやって来た。


「………」


「ハントマンさん!

スタンピードは!?

魔物は何処から来てるんですか!」


ギルドの受付嬢がハントマンに掴み掛かって尋ねていた。

何を思ったのか答えないハントマンの両頰を叩いているのが見える。


もし、言えるなら俺はこう言うだろう。

空が、落ちてきた。


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