↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
双子でヤンデレな悪霊と共に  作者: 善良なる悪魔
第1章・バタンダ大森林
21/34

警報が響き渡る町。

日が沈んでいき、暗くなっていく頃。

それは起きた。

それは大地を揺らす地鳴りと共に現れたのだ。


壁の上の一人の者が異変に気付いた。

いや、見えたと言うべきだろう。

森から現れるまで地鳴りが響いていたのだから。


「おいおいおい!

やべぇって、マジで!」


奇しくもその者は朝にも森から来る異形と少年を見つけたフレッドと呼ばれた男だった。


「どうしたぁフレッド!

またなんか来たのか!?」


壁の上で隣に居た男はフレッドが見えた何かを聞いた。


「スタンピードが起こりやがった!

しかも超特大級のだ!

数は目算で万以上、種類は様々だ!」


森からは魔物の軍勢が現れたのだ。

地鳴りの原因である者達が町へと近付いているのだ。


「マジかよ。

俺は避難警報を流す!

グレブリン、お前はギルドに駆け込め!」


「は、はいぃ!」


フレッドの報告を聞いた男は壁の下の篝火の近くに居た男にギルドに行くように促し壁に付けられた玉を叩き割った。


すると町の何処からか高い叫び声のような大音量の音が鳴り響いた。

これが男の言っていた避難警報の音なのだろう。


その音が町中に響いた瞬間、近くで活気あった大通りから悲鳴や罵声など様々な声が聞こえ始めた。

そして殆どの者達が町の奥の方に走って行った。

避難場所に逃げて行ったのだろう。


「騎士団は無理だ。

冒険者達も高ランクの奴らは居ねえ。

クソ、どうすりゃいいんだよ。」


その様子を見ながらフレッドは零した。


ーーーーー


町中に響いた高い叫び声のような警報を子供達も聞いた。

今から帰ろうとした時に鳴り響いたその音は大人から言われていた言葉を思い出させる。


警報が鳴れば館の方に逃げろ、という言葉を。

そしてその警報がなる状況がどんな事態なのかを。


「けいほーだ」

「どうしよ、どうしよ」

「やかたにいかなきゃ!」


「!?

うそだろ。

おい、おまえら!

おまえらは、はやくやかたのほうににげろ!

おれはかーちゃんをたすけにいってくるからな!」


ビガロはそう叫んで走って行った。


「これ、なに?」


少年は顔に不安の色が浮かぶ。

突然、今まで聞いたことも無い、大きく不気味な音が響き渡ったのだ。

大人でも不安や恐怖を感じるだろう。


「けいほーがなった!

きけんがくるよ!」

「にげよー、にげよー!」

「ほら、こっち!」


「なに?

けいほーってなんなの?

ぼく、こわいよ」


その少年の言葉に、異形が反応した。

今まで異様に長い髪の毛が逆立ち、夜空に近付いていく空へと伸びていく。

急激な速度で伸びていくのだ。

そして空を覆う程、伸びたかと思えばある方向に一斉に髪の毛が動いた。


その様子を遠くから見る者が居ればこう言ったかもしれない。


突然、黒い巨木が町中で生えた、と。


異形の髪の毛は何かを求めるように空中を蠢いて行った。

それは門のある森の方向であった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。