Lv.26 戦闘を止めよう
1.逃げる 2.戦う 3.見守る
俺的には3でいきたいところなのだけども…
ごぉっと音を立てて炎のブレスが立て続けに飛んできた。
「あっぶねぇ!」
ギリギリで躱したが、先程から勇者が俺達の目の前をうろちょろするものだから俺達の身が危険だ。
少しは人の迷惑考えて動けー!
などと心で悪態をついていると、赤竜が口をカパリと開けて炎の塊を吐き出した。
俺たちのいる方向に向かって炎の塊が3つほど連続して飛んでくる。
その威力と速さを見る限り、竜というのは伊達ではないようだ。
「ゴルさん! そっち行ったぞ!」
「お、おぉっ」
攻撃の当たる場所に立っていたゴルベーザは、飛んできた火球を、某映画のように仰向けに体を傾けて避けた。
すげぇ…ほんとにあのやり方で避けれる奴がいるとは…
思わず感心して見入ってしまう。
すると…
ごきっ
「ん?」
鈍い音がしたかと思うと、ゴルベーザはそのままバタン!と地面に倒れ、腰を押さえて転げまわっていた。
そういえば奴の背中には巨大で重そうな戦斧があったよな…あれは、腰をやったか?
思わず遠い目でその様子を数秒見た後、目を逸らした。
キワモノというのはこういったことで死んだりはしない! 放っておこう!
「婆さん!村長さんを頼む!」
どこにいるかはわからないが、姿がないのでおそらく一番に逃げ出したメルニア婆さんに向かって声をかければ、かな~り遠くの方から「大丈夫じゃ~」と声がした。
どんだけ遠くに逃げてんだ…
「グウェン、ロマ、とりあえずあの勇者を捕まえるぞ!」
キワモノには違いないが、頼もしい二人の声が応と返事した。
ちなみにゴルベーザは腰をやって使い物にならないのは言うまでもない。
やつを捕まえると決めれば、何とか竜を宥めつつ勇者を捕縛しないとならないわけだが、竜はすでに怒りで我を忘れ、辺り一面火の海だ。これは精霊であるロマにも悪影響を及ぼすであろうから早目に片づけるに限る。
ここで発動! 幼女好きスキル!
「ロマは俺が守ってやるからな」
「アキ…」
クサイ! 俺の台詞がクサイ! だが、幼女好きスキル補正により、おそらく魔法成功率が上昇しているはずだ。
俺はたまにおかしなものが飛び出す創造魔法をスキル頼りに発動させた。
『降り注げ雨!』
魔法でもなんでもく、俺のイメージでしかないが、滝のような雨が辺り一面に降り注ぎ、火を鎮火していく。どうやらスキル補正により上手く発動しているらしい。
要は、ロマが危険=スキル発動=謎魔法の成功率&望みの魔法発動率UPということだ。
雨が火を鎮火している間に、グウェンが勇者の前に躍り出て剣を振るう。これでひょいひょい動く彼の動きを乱し、乱れた瞬間を狙ってロマが勇者の足を木の根を操って捕えた。
「おしっ! んじゃあ、俺はこっちだな」
赤竜は雨に邪魔されて唸り声をあげ、今度は木の根に捕らわれた勇者めがけて牙を剥き出し突進しようとした。
『喰らえ! 地味な恐怖!』
俺の想像だけの叫びで平和的(?)解決魔法が発動するかはわからなかったが、幼女スキル補正による魔法成功率上昇が効果を発揮したらしい。赤竜は突然足をもつれさせて呻きながら地面にスライディングした。
そこまでは予想の範囲内だ。うまく発動してガッツポーズをとる。
だが、ここからは予想を超えた幼女スキル補正による魔法効果範囲と威力上昇が加わった。
つまり・・・
「「「ぬわぁ!」」」
「「ぎゃふん!」」
『グオォォォォん』
「うぅ!」
順番から言うと、俺、グウェン、ゴルベーザが悲鳴を上げてその場に倒れ、遠くでメルニア婆さんと村長の死語が炸裂し、赤竜がその場にのたうち回り、木の根に捉えられて身動きの取れない勇者がバシバシと木の根を叩いて何かを訴えていた。
何が起きたかって? それは
「ぬあああああああ~! 足つったああああああ!」
全員が太ももまで襲いかかったこむら返りでのたうち回ったのである。もちろん竜も例外ではない。
唯一の例外は幼女スキル効果により、悪意の攻撃は当たらないロマだけだ。
何が起きたのかとキョロキョロと辺りを見回していた。
な…何にせよ戦闘は止まったぞ…
ロマ以外全滅したけどな!
痛みと戦い、ぜぇはぁと息を荒げながら、俺達は戦闘以上のダメージを喰らうことにより、戦闘を中断したのだった。
こむら返りって調べたら怖いものだった…
病気から来るこむら返りもあるので頻繁に起こす方は病院で診てもらって下さい。
血管が詰まっている場合もあるそうですよ。




