第七話 図書塔へ
ルミナス伯爵の件から2年間、一ヶ月に一回うちに来るか、ルミナス伯爵の館に行くことを繰り返していた。最近知ったが、この街は2人の領主ゲイル伯爵とルミナス伯爵によって統治されているらしい。この街は通常の街よりも2−3倍はデカく、1人で治めるのは無理と思ったこの国の王は、信頼関係が深いゲイルとルミナスに任せることにしたらしい。
2年間ハルは通常通り過ごし、体は自由に動くようになり、言葉も喋れるようになった。そして、
「ハル〜!いっしょにあそぼー!!」
この声の正体はステラだ。この二年間でステラはハルと同様に成長し、よく遊んだ仲だ。
伯爵が来るのは月に一回だったが、ステラは専属従者を連れては、よくうちに遊びに来ていた。
「ステラ様、お待ち下さい!ハル様おはようございます。毎度のことすいません。」
「だいじょうぶですよ!シュウさん!いつもおつかれさまです。」
黒い執事服を着ており、茶髪に七三分けの髪型をしているこの従者の名前は、シュウさん。ステラの専属従者だ。シュウさんはステラを追いかけるため執事服のまま走ったらしく、汗をかいている。
貴族には各自1人は専属執事かメイドがおり、主な仕事は主人の身の回りの世話や護衛を務めている。
「ハル!きょうはなにする?」
「じゃあ鬼ごっこしようか!」
「じゃあ私がおにやるね!いーち、にーい、さーん」
(前世高校生だった俺がこんなことで遊んで恥ずかしくないのかと思われるが、俺は思わない。なぜなら、」
「きゅーう、じゅう!!よし!まて〜!!」
ギュン!!
ステラは3歳児とは思えない速度で、追いかけてくる。スピードだけなら大人にも負けないぐらいだ。ハルは庭園の地形を利用し逃げ回る。曲がり角や木、屋敷にある狭い通路を利用し逃げる。
(やっぱりおかしいだろ!!なんでこんなに早いんだ?!絶対なんかバフ系のスキルかなんか無意識で使ってるだろ!)
ステラはその速さで何処へ逃げようが徐々に距離を詰め、最終的にハルは捕まってしまった。
「タッチ!!やったー!ちゅまえた!」
(逃げ切るの無理だ!これ!おんなじ三歳児なのになんでこんなにも差が!)
疲れ果てたハルは芝生の上に寝っ転がる。ステラも同じように転がり、休憩する。この日は同じことを繰り返し、ステラは帰っていった。
次の日、ハルはゲイルがいる執務室に向かった。
「ちちうえ!!きょうはとしょとうへ、つれてってくれるんですよね!」
「おお、ハルか!ああ、そうだが、少し待ってくれ。思いの外仕事が長引いてしまって。それか、エミ!」
「はい!何でしょう伯爵様。」
「ハルを先に図書等へ連れてってはくれまいか?俺は後で合流する。」
「はっ、承知いたしました。伯爵様。ではハル様行きましょうか。」
「はーい」
ハルの専属メイド、エミとともに図書塔へ向かう為馬車を呼ぶ。
二人は馬車に乗り、馬主が扉を締める。
「行ってらっしゃいませ。ハル様、エミ」
馬をムチで叩いた瞬間、走り出し門をくぐった。ハルはこの世界のことを知るため、この街最大の図書館、図書塔へと向かった。
町中を走ってる途中、武器や防具を持った人がいるのに気がついた。
「ねえ、えみ、あのぶきもってるひとってなに?」
「彼らは冒険者といい、日々魔獣や護衛、採取依頼を請負っている者たちです。彼らは冒険者ギルドという組織に所属しています。」
(この世界には、ギルドがあるのか)
「じゃあ、あのしろくてでかいたてものは?」
「あの建物は、セルカン商会の建物ですね。あそこは主に服や、装飾品、食料や、武器まで幅広く商品を扱っている商会ですね。今度、伯爵様に伝えておきますか?」
「おねがい!」
(よっしゃ!前世で言うショッピングモールだな!)
「えみ、ありがとう」
「いいえ、仕事ですので。」
話しているうちに、大通りに入り、目の前には塔がそびえ立っていた。
「あれがとしょとう?」
「そうです。この塔は、当初ルミナス伯爵様とシックザール伯爵様がこの街にご就任された際に建てられたものです。扱っている本の数で言えば、王都の図書館にも引け劣らないそうです。」
「ぐたいてきには、どれぐらいのほんがあるの?」
「確か、総数10万冊の本が保管されていると言われています。貸出される際はお金を払わなければいけません。」
「おかねのかちってどれぐらい?」
「お金の価値はこの様になっております」
・鉄貨10枚で銅貨1枚
(鉄貨は1円、銅貨は10円)
・銅貨100枚で銀貨1枚
(銀貨は1000円)
・銀貨10枚で金貨1枚
(金貨は1万円)
・金貨100枚で白金貨1枚
(白金貨は100万円)
・白金貨100枚で黒金貨1枚
(黒金貨は1億円)
図書塔への移動中貨幣の価値を学ぶハルであった。
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