表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/8

第五話 ルミナス伯爵

この一年間ハルは魔力感知の練習をしていた。魔力を練っては、寝てを繰り返していた。


この世界の空気中には、魔素と呼ばれる魔力の素がそこら中に漂っている。魔素は体内に取り込まれることによって魔力へと変換される。そして自身の魔力量を増やすには、魔力を使い続ける他ない。魔力は筋肉と同じで、酷使すればするほど筋肉は育ち、強靭になる。


この世界にいるすべての老若男女の体内には、例外無く魔力が少なからず流れている。ただし、獲得した職業によって魔力が使えるか使えなくなるかが決まる。


魔法使いは魔力を使い詠唱を唱え、魔法を発動する。魔力は無くてはならない存在なのだ。魔力はお腹周辺に溜まり、魔力を練り、純度を高めていく。


ハルはいつも通りゆりかごの上で魔力を練り、魔力総量を高めていた。するとサラが部屋にやってきて、ハルは抱きかかえられた。そして、扉をくぐり部屋の外へと連れ出された。


(何処へ行くんだ?)


疑問に思いつつ身をサラに委ねていると、広い玄関に着いた。そこには、父ゲイル、謎の男、その執事、そして同い年と思われる女の子がいた。


透き通るような青い髪の毛に、青い瞳、そしてきれいな顔立ちをしていた。


「ようこそお越しくださった。ルミナス伯爵よ。」


謎の男の名はルミナス伯爵と言うらしい。


「いやいや、お出迎え感謝する。シックザール伯爵よ。」


(え?!うち伯爵家だったの?!)


ハルは自分の立場に驚いた。そしてルミナス伯爵は、挨拶をした瞬間硬っ苦しい口調をやめ、砕けた口調へと変わる。


「さてどうする?今日は、とことん模擬戦をするつもりだが、今からやるか?」


「ああ、いいとも。だがまずは、お主が持ってきた荷物を置いてからにしてもよかろう。」


「そうだな。ガッハッハッハ!」


ルミナス伯爵は大きな声で笑い屋敷に入った。その途中、


「キャハハ!!」


と女の子がハルに対し、笑顔で手を振ってきた。それに対しハルも振り返す。


ルミナス伯爵は客間に荷物を置き修練場に赴いた。


ハル、サラ、女の子とその執事は修練場の観戦席に座り模擬戦を見に来た。


「久しぶりにお主と模擬戦をやるのう、鍛錬を怠ってないとよいが。」


「ほざけ。お主も怠っておらんと良いが。」


二人はお互いに睨み合い、バチバチと火花を散らしている。お互い鎧を着ており、手には刃が潰された木の大剣を持っている。


(お互いはライバルかなんかなのかな?)


「いざ、シックザール伯爵よ!参る!」


「ルミナス伯爵よ参られよ!」


その瞬間ルミナス伯爵は地面が割れるほどの力で地面を蹴り、前へと走り出した。それを迎撃するようにゲイルは大剣を両手で握りしめ、構えている。ルミナス伯爵とゲイルの距離が5mを切った時、伯爵は剣を光らせスキルを発動させる。


「「剛剣!!!!」」


叫んだ瞬間伯爵は大剣を横から水平に斬りかかり、ゲイルは受け止めその勢いを利用し体を回転させ伯爵の胴体を狙う。


「もらったああああ!」


ゲイルの剣が入ったかと思われたが、


「甘いわあ!」


伯爵は剣を地面に突き立て跳躍し、空中へ回避する。そして見事着地し、剣を握り直す。再度、伯爵はゲイルに突進し、接近戦を仕掛ける。


ルミナス伯爵とゲイルとの距離は約9メートルあり剣を振っても到底届く距離じゃないにも関わらず、伯爵は剣を振った瞬間、斬撃がゲイルに向かって飛んだ。その斬撃にゲイルはスキルを使い応戦する。ゲイルは突きの構えに入り叫ぶ、


「「セントラル・ピアース!!」」


そう叫んだ瞬間超高速の突きが斬撃を消し飛ばした。


(うお!!早っ!なにこれ?!スキルか?)


いきなりの高速突きに、ハルは驚いてしまった。スキル硬直を狙ったであろうルミナス伯爵は、次のスキルを準備していた。


「「兜割り!!」」


上段構えからの振り下ろし。決まったかと思われたが、ゲイルは冷静に相手の剣を横に受け流し腹に一発打ち込んだ。


「がはっ!!やるのう。じゃがまだまだこれからじゃ!」


再度意気込み、攻撃を仕掛け直す。次々と攻撃を繰り出すルミナス伯爵に対し、冷静に対処するゲイル。


(ふむ、体格はルミナス伯爵の方が良いが、技術面ではゲイルのほうが1枚上手だな。)


この戦闘は1時間ほど続き、先にルミナス伯爵の体力が切れ、降参した。


「だあー!!負けじゃ!押し切れると思ったんじゃが!!」


「ふんっ、もっと頭を使うんだな。」


ゲイルによるちょっとした煽りに、伯爵は睨みをきかせる。


ゲイルはこの一時間ほとんどその場から動かず攻撃を受け流し反撃を繰り返していた。模擬戦を終えた二人は、汗を拭くためメイドが持ってきたタオルを使う。


「さて、模擬戦もしたことだし皆で昼食を取ろうではないか。」


ゲイルはすぐさま屋敷へ戻り、メイドへ昼食を持ってくるように伝えた。


ブックマークお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ