仁義なきゴシックレース
「はぁ…はぁ…何故現れぬ特典の使い魔が!」
ジルバは精霊石をありったけ使い!特典付きの使い魔を召喚しようとしたが出てきたのはどうでも良い使い魔ばかり。
ジルバはやむなく万札を注ぎ込んだ。
「こうなったら『ジルバ様ジルバ様ジルバ様!』
そんな時後ろから使い魔がジルバを呼び止めた。
「なんだ騒々しい「マスターの一味の得点がぐんぐん上がっています!!」
「なんだと!?特典使い魔も入手していないのにどうやって…!?」
ーーー
ギュイーーン!
「ウチの補助魔法よ!救いの鍵ならそれくらい使えるようにならなきゃね♪」
マスターはジルバからどんどん距離を離しているのに歓喜。
「凄いや!あれほど苦戦したジルバともうこんなに距離を離している!」
「やはりこの子は本物のようだ。さっきは疑って済まなかった」
「わかれば良いのよわかれば♪さあ作戦通りに行くわよー!」
アカネは黒い翼を広げてマスター達を先導した。
ジルバの精霊石は既に枯渇していた。
「しかし私は目的のためなら手段を選ばぬ男…万札使ってでも特典使い魔を手に入れてみせる!!」
ジルバは万札を注ぎ込み精霊石を出現させた。
「さあ出でよ使い魔よこの私に味方をするのだ!!」
そしてついにジルバは特典使い魔を数体入手。
『ジルバ様なんなりとご命令をぐぉっ!!?』
ジルバはその数体の使い魔を鷲掴み。
「お前達はこの私と同化し『ブラッディージルバ』の一部となるのだ!!」
『お許しを!お許しをーーーぐゲゲゲッ!!』
ジルバは特典使い魔を自身の体内に取り込んでしまった。
「ぷはーっまだだまだだ、銀河を駆け抜けるようになるにはまだ特典使い魔が必要だ!更に課金!」
ジルバは更に万札を課金、そして使い魔を限界突破などで強化し、奴も食ってしまう。
「更に課金!課金!」
ジルバは自称通り目的のためなら手段は選ばぬ男。
こうして特典使い魔狙いでガチャを引き、それを喰らうの繰り返しでジルバの形態は変化し、『ブラッディージルバ』となった。
『ふはははブラッディージルバとなったこの私に敵なし!!!』
ブラッディージルバとなったジルバの服は破け、筋骨隆々の姿になり、身体中に血管が浮かび上がる。
そして骸のような巨大な羽根を背から生やし、その姿はまさに「魔物」
ジルバは既に人ならざる姿となっていた。
そしてジルバは閃光の如く勢いで点数を稼ぎだす。
「な、なんだアイツはうわー!!」
「新手の魔物か…ぐぁー!!」
ブラッディージルバの食い物にされるプレイヤー達。
もはやブラッディージルバに関わるもの全員がこのデスゲームに参加させられていた。
その時懸賞品としてかけられているマァムの剣。
彼女は気が焦った。
『いけないわ…このままでは私はジルバのものに…マスター…課金してでも私を救って!』
マァムは剣の姿ながらまぼろしとなって人となり、地にひれ伏して祈った。
マスター達はどんどんとイベントを走らせていたが
「嘘!嘘嘘嘘!!」とアカネが悲鳴のような声を上げる。
「どうしたのアカネさん!?」
「ジルバの奴、ほぼ全員の特典使い魔を入手して、しかも奴らと同化しちゃったわよ!!」
「どうか…?」「これはやばいですぞ!」
マスターは同化の意味がわからずひらがなで言葉を落とすがロロイは察知に反応し戦慄する。
「どうかってなんなの?」「ジルバは特典使い魔を全員食べてしまい、しかも体の一部にしてしまったと言うことです。異形の魔物になってでも最強の使い魔を傀儡にしたいのでしょう…」
「なんだって!?」
「やむを得ない、我らも金を使って追いつくのですぞ!!」
ロロイが発破を掛け出す。
しかしマスターは「出来ないよ…」と言葉を落とした。
「何故です!?」「何故何故何故!?」
ロロイとアカネはマスターに問い詰めだす。
「僕はこの月に沢山のお金が出てっちゃったんだ…だからだから…ゲームに大量の課金なんて出来っこないよ…」
いつもは冷静でこう言うマスターに賛同するロロイも今回ばかりは焦燥を抑えきれない。
「何を言っておられるのです!?マァムの剣がジルバの手に渡っちゃうのですぞ!!それでも良いのですかな!!?」
「そうよ!男らしく課金しちゃって特典使い魔を使っちゃいなさいよ!!千恵さんもそう言っておられるわ!!」
ロロイとアカネはマスターに促しまくった。
「ぐぐ…」
マスターは悔しそうに拳を握った。
煮え切らないマスターの対応にアカネは愛想を尽かした。
「男らしくないのね。男らしくないのは私は嫌いよバイビー」
アカネは翼を広げて去ってしまった。
ロロイは眷属の為ずっとマスターの前に立っていたが立ち替わりつつあるマスターを祝福するべきか、マァムを救うために課金させるべきかの迷いが生じた。
(わたしは一体どうすれば良い?教えてくれ明日香さんっ!!)
ロロイは心内で嘆いた。




